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「龍が如く 劇場版」

 三池崇史監督「龍が如く 劇場版」を鑑賞。原作であるSEGAのゲームは体験版くらいしかやったことがない身としては、純粋に三池監督への期待値のみで臨んだ映画です。あえて他に関心事があったとすれば、岸谷五朗演ずる、真島吾朗というキャラクターの暴走っぷりくらいでしょうか。公式サイトで確認したところ、ゲームのキャラの真島吾朗は、微妙に岸谷五朗に似ていて、名前も同じ「ゴロウ」だし、ただこのキャスティングをしたいがために、この映画を作ったとしか思えないです(んな訳ねえか)。

 映画のストーリーは、ゲームの第一作目をベースにしており、消えた100億円の行方を物語の中心軸に据えて事態が展開していくのですが、主人公の桐生一馬(北村一輝)と、他の主要な登場人物の因果関係が、劇中では一切説明されないため、ゲームをプレイしたことのない人には、理解できない部分や戸惑う場面がけっこうあるのではないでしょうか。

 特に、終盤の錦山彰(真木蔵人)が登場するあたりからの展開がまた急で、まるで、1クールのTVドラマを2時間に編集したかのようなやっつけ仕事ぶりです。そのくせ映画としては、いらないシーンを切ってしまえば、1時間20分くらいで済んでしまいそうな内容で、あくまでゲームのファンが、2次創作を楽しむための作品となっているような気がしました。あと「ジャンゴ」の時にも思ったことですが、笑いを狙っているシーンがあからさま過ぎて、逆に笑えませんでした。そして「ジャンゴ」の時と同じく、1時間50分飽きはしなかったけどね。三池監督のファンにとっては、これはこれで監督らしさが随所に出ている良作なのかもしれません。

 自分にとって最後まで印象に残ったのは、主人公よりも、真島吾朗のキャラクターのみ。総じてアクションシーンは良かったし、ゲーム的な演出もご愛嬌ですが、結局はこれ(真島吾朗VS桐生一馬)が撮りたかったというのが全てなのかも。

 

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