百剣合シテ一刀ニ到ル
荒山徹著「柳生百合剣」読了。
私にしては珍しく、1日で読みきった作品となりました。文体が、かしこまらずに読みやすかったせいもありますが、だんだんと、「この話に何日もかけてられるか!」という気分になってきて、一気に駆け抜けることに成功! もう、全十章あるうちの、第九章~第十章はものすごい勢いで読み進めました。
面白くないわけじゃなかったんですよ? 伝奇時代小説を読むのは久しぶりだったので、中盤の黒幕登場(自粛)の場面では、「おお、そこを引っ張りだしてきたか」と、感心することしきりでしたし、なんだかんだでどう事態を収束させるのか気になったし、それになんといったって、柳生十兵衛が(いちおう?)主役の物語ですし・・・まあ、とんでもないシスコンの柳生十兵衛でしたがね! 順番的に、「柳生薔薇剣」を先に読むのが筋だということははっきりしたのですが、初めての荒山徹作品に触れてみて、ただひとつ確信したことは、荒山徹作品は勢いで読むべきだ、ということです。ブルース・リー的に言うと、「考えるな。感じろ」みたいな?
タイトルにもちゃんと意味が込められていて、ただ単に、女剣客が重要な役割を果たすから、というワケではなかったのね。『百剣合シテ一刀ニ到ル』というのは、実際にある言葉なのかな? あとは、風太郎ファン的には、「魔界転生」からの文章の引用が少なからずあったのが楽しいというか・・・物語そのものが「魔界転生」のパロディとでも言ったほうがいいのでしょうか。以下、本文から該当部分を抜粋してみると、
・まさしく、彼らを「敵」とするものに呪いあれ。この恐るべき超絶の四剣士を敵として、万に一つもいのちある者が、この世にあろうとは思えない、であった。
・「おれは柳生十兵衛だ」
・とにかく、猿のことだから、どうだかよくわからない。
・とにかく、ここまで縷々として叙しきたったのは、(中略)・・・いまや二人は一体化という「編成」を整え終わり、自らを百合剣としたのだった。
風太郎ファンなら、「魔界転生」のどの部分の文章かすぐわかりますよね~。他には、そのものズバリ「魔界転生」を山田風太郎の名とともに引き合いに出しているところもあるし、十兵衛を慕う(?)子供の名前がお雛・お縫だったり、猿の名前に弥太郎ってついていたり・・・絶対わざとですよね? つ、次は「柳生大戦争」を読むか・・・(心配になってきた)。
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