「忍法八犬伝」の評価
「忍法八犬伝」って、忍法帖の中でも非常に評価の高い作品で、私も何度か読んでいて面白いとは思うのですが、自分の中での忍法帖の序列で考えると、「海鳴り」「銀河」「忍法封印」「剣士伝」「自来也」「江戸」「忠臣蔵」あたりとほぼ同等か、もしかしたらそれよりちょっとだけ下かな、って感じの作品です。前述の作品の上位には、「柳生」「魔界」「風来」「伊賀」「外道」があって、それらの下には、「甲賀」「くノ一」「卍」が続くので、あえて順位をつけると16番目くらいですか。この下はというと、「軍艦」「月影」「信玄」「魔天」「秘戯書」「黒白」「双頭」「陰陽師」があるのみで、なんと下から数えた方が早い。で、なんで自分の評価がそんなに高くないのか、考えてみたところ・・・。
どうも、八犬士に対する村雨さまの態度に、終始乗り切れない部分があるようです。もちろん、八犬士は見返りなど端から求めておらず、ただ村雨さまのためだけに命を張ることを、無上の喜びとしているわけですが、同じ一人の姫君のために香具師たちが命を賭ける「風来」なんかと比べると、最後まで報われない(村雨さまの無邪気のおそろしさ!)八犬士たちが不憫で不憫で・・・。
あと、些細なことですが、角川文庫に入っていなかったということで、忍法帖シリーズとして、徳間書店から刊行されていた「忍法八犬伝」は、異質なものと捕らえていたふしがあります。だって徳間の忍法帖って、これと「魔天忍法帖」だけでしたから、1ランク落ちるって感覚があったみたいです。だからもしかしたら、「八犬伝」から忍法帖に入った人と、そうで無い人の評価は、多少異なるのかもしれないなあと思ったり。今は「忍法八犬伝」も、他の忍法帖と同じく講談社からシリーズが刊行されているので、こんな感覚を覚える人もそうそういないとは思いますけどね。
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