「ゾディアック」
デビッド・フィンチャー監督「ゾディアック」を観ました。
1995年の「セブン」以降、「ゲーム」「ファイト・クラブ」「パニック・ルーム」と、フィンチャーの監督作品は欠かさず映画館に足を運ぶようにしていましたが、「パニック・ルーム」から5年ぶりの新作となるこの「ゾディアック」は、ネットでの微妙な評判と上映時間の長さから(157分)、映画館に行くか行くまいか迷っていたりしたのですが、結局機会を逸して、この度のDVDでの鑑賞と相成りました(フィンチャーファンとしては失格かも知れませんが、レンタルではなく、ちゃんとDVDを買いました)。
1969年の7月から、ゾディアックと自称する実在の連続殺人犯が起こした、アメリカ史上初の劇場型犯罪を題材にしたこの作品は、従来のフィンチャー作品のような意外性を期待して見ると、まったく肩透かしを喰らうかもしれません。実際、事件から38年経った現在でも、この事件は解決されていませんし、劇中の人物の一人である風刺漫画化が著した書物を原作にして、映画は淡々と時系列順に事実を追いかけ、当時事件に関わった人々の行動を描きます。今回はフィンチャー独特の凝った映像もなりを潜めているような感じがしますが、実際の事件を扱うということで、事件当時の町並みやファッションの再現に力をいれ、フィンチャーの主観を極力排した映像創りになっているような気がしました。なんとなく、フィンチャーではなく、クリント・イーストウッドが監督した映画だと言ったほうがしっくりくるかもしれません。3人の主要人物を通して語られるそれは、「ミスティック・リバー」や「父親たちの星条旗」のようでもありますし。
で、長いので、途中で寝るかもと思っていたら、やっぱり途中で寝てしまいました(ビール飲みながら観ていたせいもあります)。映画館で観ていたら、ちょっとしんどかったかも。物語としては、ゾディアックの犯行シーンを除けば、後半のジェイク・ギレンホール演ずる風刺漫画化(原作者)が、執念で事件を追いかけていく様子に興味をそそられました。ゾディアック事件の概要だけを知りたいなら、映画公開前に「奇跡体験アンビリバボー」とかでやっていた再現ドラマを観れば充分だもんなあ。でもこの事件、1960年代に起きた事件であればこその事件で、現代に似たような事件が起きれば、あっさり解決されて、犯人もすぐ捕まっちゃうんでしょうね。
つうか、ディレクターズ・カット版が出るのか。追加シーンと特典映像次第では買いですかね・・・。フィンチャーの次回作は、もう少し早いサイクルで観たいところです。
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