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「Y十M」第86話

 2008年最初の「Y十M」。おとねが雪地獄の中にいる理由と、門田村の娘の伏線が解消されて、ちょっとすっきりした感じ。以下の文章でちょいネタバレありなので、未読の方はご容赦を。

 原作を読んでいたときは、「十兵衛見参」の章の長広舌シーンの次くらいにカタルシスを受けた部分です。やってることは江戸の花地獄でのトリックとほとんど変わらないのですが、絶体絶命の窮地から十兵衛がどう抜け出すのかという解答に破綻はなく、あっと驚かされた記憶があります。突発的な偶事に助けられることなく、登場人物が知恵をめぐらせて窮状を切り抜けていくのが「柳生忍法帖」の面白さだな、うん。十兵衛は助けられてばっかりのような気もしますが(笑)。

 おとねの緊張の糸も切れて、色っぽいサービスシーンが満載の獣心香祭りを2週分に渡って堪能できたのはよかったのですが、ただ、十兵衛の、「我慢に我慢を重ねてきたこの刀だ・・・」の部分のセリフはフルバージョンで読みたかったです、先生!

 「うぬら、ひとりでも気ままにうごくと、この明成の命はないぞ。いままでがまんにがまんをさせてきたこの刀だ。時をかけて、おれを縛った縄を引き切り、それからうぬらがここに入ってくるまで待ちくたびれさせておったこの刀だ。いなないて、武者ぶるいして、ともすればおれの手綱をふりきってあばれ出したがっておるから、そのつもりでよっくきけよ」

 原作だと上のセリフが該当する部分なのですが、ようやく逆転の機会を得て、すぐにでも明成たちに天誅を下したい気持ちを抑えた十兵衛のいらいらした内面がよく出ているセリフだと思うし、今回の最後のページの明成去勢につながる言葉でもあるので、見開きでたっぷり見てみたかったのですけどね。

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