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「信玄忍法帖」

 先日武田神社にも詣でたことだしと、おそらくは十何年かぶりに「信玄忍法帖」を再読してみました。

 機山信玄の生死の謎をめぐって、徳川家康の命を受けた服部半蔵配下9人の伊賀忍者と、死んだはずの山本道鬼斎を軍師に控えた6人の影武者の2年間にわたる暗闘は、真田源五郎と猿飛・霧隠主従の目を通して語られます。

 忍者同士の対決に焦点を置いた構成は、「忍者月影抄」や「外道忍法帖」に近いものでしょう。ときおり黒澤明監督の「影武者」を思い起こしながら読みました。

 初めて読んだときの印象は、これといって主人公が明確に設定されていないため(強いていうなら山本勘介か?)、さほど武田家の興亡に興味が無かった自分にとっては、どちらに肩入れをしたらよいのか判断がつかず、そのせいか評価もあまり高くなかったようなのですが、あらためて読んでみるといろいろと再発見があり、むしろ初めて読む忍法帖のような感覚にも捉えられ、久方ぶりに山田風太郎の小説を存分に楽しめたような気がします。

 それでも、【風陣篇】における上泉伊勢守の、

 「又太郎、うぬはもはや死んでおるわ」

 というくだりだけは強烈に記憶に残っていて、「なんかよくわからないけど凄い!」と痺れたのを思い出すのですが、再読してもやっぱり状況がよく飲み込めなかったです。この剣聖だけは、ホント、山田風太郎の作品群のなかでも特別枠ですねえ。

 あとヒロインというほどの出番はないですが、八重垣姫萌え(笑)。反論は受け付けません。

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