昨年、和歌山に行った折、どうしても心残りだったことがあって、それがなにかというと、和歌山ラーメンを高速のサービスエリアで済ませた、ということでした。
ガイドブックを開けば、必ずと言っていいほど触れられている和歌山ラーメンを、なぜ帰り際の高速で食べたのか、むしろ食べない方がよかったのではないか、と苦悶に打ち震えること10ヶ月、先日の南紀めぐりの最終目的地(結果として最後の訪問地になった)として選んだのは、傾いたラーメン屋として知られる、紀ノ川堤防沿いの【まる豊】です。
8時過ぎに朝食を済ませ、11時半頃ホテルをチェックアウトをした私と嫁、そんなに空腹ではないけれど、昼食は【まる豊】で和歌山ラーメンを食べようと、所在地を転送した携帯を確認したところ、開店時間がPM5時からと知ってまず愕然としました。
中途半端に腹を膨らませて、ラーメンを食べにいくのも、もったいない気がしたので、ひとまず、帰りに寄る予定だった開放倉庫に行くことにしました。街中から少し外れますが、自動車での道程は30分ほどで、距離的には大して離れているわけではありません。
その後、さらに余った時間をJR和歌山駅前での散策に費やすことに。前日、飲み屋を探してしばし徘徊した和歌山駅前ですが、そのときに感じた、なんだか思っていたより寂しいところだなあ、という印象は日曜日の昼過ぎになっても変わることなく、なんだか和歌山城付近のほうが栄えているんじゃないか、と思ってしまいました(多分、この感覚は間違っていないはずです)。
嫁との共通認識としては、(失礼な話ですが)和歌山(の駅前)と比べたら、静岡はまだ店があるね、ということ。道を歩いている人の少なさにも驚きましたが、これは、駅前の商店街のほとんどの店が休業だったため、ということにも関係があるでしょう。
・・・・・・時間が潰せなくなったので、まだ早いとは思いつつ、【まる豊】の店舗に向かいました。駅からだと、10分もかからずに着いてしまいます。
←駐車場側からの店舗全景。奥のトイレにつっかえ棒がしてあるのが気になります。
開店20分前に着くも、人がいる気配がなく、営業時間のことを考えると(PM5:00~AM3:00)、仕込がちゃんとできているかどうかが気がかりに――いや、そもそも、ちゃんとPM5時に開店されるのだろうか? 結局、朝食を摂ってから後、食事はしていないので、空腹も限界に来ています。
←開店前の【まる豊】。嫁が暖簾が出てからの写真を撮り損ねたと、嘆く。
写真を撮ったり、店の周囲を探ったりしているうちに時間は経ち、開店のPM5時まであと10分、というところで店の前に車が横付けにされました~。どうやら、時間通りにお店は開きそうです。
←店舗に入ると、厨房に向かって左側に大きく傾斜しているのがわかります。カウンターに台がしつらえてあって、丼を置いた時に傾かないようになっているものの、座っていると、だんだんと変な感覚に陥っていくのでした。
←嫁は中華そばを注文。
←自分はスタミナそばを頼む。
とんこつ醤油のスープって、もっとしょっぱいようなイメージがあったのですが、こちらのお店は味がマイルドで、飲みやすいスープでした(まあ、他と食べ比べたわけではありませんが)。・・・・・・麺が美味かったなあ。
お店の主人はきさくな人柄で、ラーメンが出来上がるのを待つ間、いろいろと話をしてくれました。静岡から食べに来る人も多いようでしたが、嫁の地元の焼津から、”イカのくち”(だったか?)をわざわざ仕入れている、という話を聞いて、勝手に親近感を覚えました。
嫁はスープを飲み干して、どうやらご満悦の様子です。最後に、ここでしか売っていないという、【まる豊】ラーメンのお土産を買って、帰途に着くことに。和歌山ICからもほど近く、計算ではあと2度ほど来ることがあるだろうと踏んだこの地で、またきっと立ち寄ってしまう店になったことは間違いありません。
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