「7th 風太郎祭」①~伊勢大神楽
・・・・・・肉を食ったその日は、長旅で疲れていたせいもあってか、酔いの回るのも早かったようで、ホテルに戻ってすぐ寝てしまいました。
翌12月28日(土)は、朝からあいにくの雨模様で、記念館前の庭でとりおこなわれるはずの、伊勢大神楽の公演がどうなるものかと、少し心配になりましたが、まずは出かけてみることに。10時半からの公演の前に、特別企画展の展示を見る時間をとるために、8時半に出発しました。ホテルのある和田山から、一時間くらいかかるだろうと見込んでいたところ、それよりも20分ほど早く着きました。
駐車場に車を乗り入れると、ペットボトルで作られたクリスマスツリーのほかに、大量の葉を落とした銀杏の大木が目に入りました。
昨年とは違う景観にwktk。一週間遅い開催による気候の変化と、雨の影響でしょうか。
肝心の伊勢大神楽公演はというと、雨のため体育館に場所が変更になったとの掲示がなされていました。天候も不順だし、外だと寒いので、これはこれでOK。
さて、今回、大神楽が公演されることになったのは、山田風太郎の少年時代の思い出に大きく関わっているそうで、プログラムにも説明がされていましたが、エッセイ「わが家は幻の中」で、
【秋には必ず大神楽の獅子舞一行がやって来て、撥や刀や茶碗で曲芸をした。私の家の前庭は比較的広いので、そこではいちばん盛大にやった。私は大得意であった。】
と、書き記されています。また、昭和24年には大神楽を題材にしたミステリ「旅の獅子舞」を著してもおり、少年時代の故郷の記憶と、作家山田風太郎をつなぐ、重要なファクターとなっているのです。
まー、それはさておき。
体育館も寒かったです(笑)。スリッパが足りなかったらしく、特に足が冷たい。客層は、園児から年寄りまでと幅広かったですが、どうやら地元の人がほとんどだったのではないでしょうか。10~20代の若い層はあまり見受けられませんでした。
大神楽の総舞は、すべてをおこなうと、4時間くらいかかるとのこと。さすがに時間がないので、その中からいくつか抽出して実演するとのお話だったのですが、それでも予定の時間を20分ほどオーバーしました。
内容は、獅子舞→曲芸→獅子舞→曲芸→獅子舞という順番になっていて、獅子舞の合間に曲芸が入るのは、獅子舞ばかりだと飽きるから、だそうです。獅子舞なんて、まともに見たことありませんし、興味を持ったこともないですから、どんなもんかと思って見ていたのですが、これがまたリズミカルで、いろんなバリエーションがあって・・・・・・すいません、獅子舞なめてました。
それでも、確かに獅子舞だけでは飽きてしまうことでしょう。観客をあきさせないための曲芸は、想像していた以上に多岐に及んでいて、またコントじみたやりとりで、私たちの笑いを誘ってくれたのでした。
現在のものと、風太郎が少年時代に見た大神楽とでは、内容に違いがあれど、こうした獅子舞の一行が、自分の家の庭先で総舞をおこなうというのは、子供心にとても誇らしかったことでしょう。
最後に、嫁ともども獅子に頭かまれました。これで健康になる?
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