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2010年1月

「前巷説百物語」

 京極夏彦著「前巷説百物語」読了。

 ――百物語はじまりの物語ということです。

 このシリーズ、薀蓄が少ない分、京極堂シリーズより読みやすいのですが、それだけに少し物足りない感じもします。何が言いたいかというと、京極堂シリーズの新刊が早く読みたいな、と(新刊「数えずの井戸」は買ってしまいましたけど)。

 読んでる最中、アニメ版の「巷説百物語」がむくむくと気になりだし、中古でDVD-BOXを購入しました。レンタルで2話まで観ていたことを思い出し、独特の世界観を表現するのに、独特のキャラデザインと美術設定もまた良し、と考えることにしていたものの、やっぱり原作と比べると脚本に深みが足りないように感じました。せめて作画がもそっと統一されていればなあ、というのが本音です。

 

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「化物語 なでこスネイク」

 注文してたBlu-ray版ディスクが届いたので視聴しました。

 前話までに、まったく名前の出てこないキャラのエピソードで、2回分という短い話数だったので、まったく期待していなかったというのが正直なところなのですが、実の妹でない妹キャラという設定と、ほのかなエロ描写に意外と満足しました(笑)。ヒロインの戦場ヶ原を差し置いて、神原駿河の出番が多かったのも個人的にポイント高かったです。

 私は知りませんが、テレビ放映時のバージョンからずいぶんと修正が入っていたみたいで、発売日が遅れたのもこれが原因なのでしょうが、年季の入ったファンには相当に好ましい内容だったのではないでしょうか。

 それにしても、毎回、オープニングの歌と映像がとてもよく出来ていると思います。一度、エンディングを含めた、フルバージョンの歌をまとめたサントラを出してもらいたいと切に願うところです。

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伊勢参り

 今更ですが、先週末に伊勢神宮へ初詣に行ってきました。

 昨年は1月末の月曜に行って、そこそこの人出だと感じたものですが、週末はその比ではありません。さすがに日本人の総氏神さまが祀られているだけのことはあります。個人的に人ごみはあまり好きではないので、以降は平日を選んで行ってみようかとも思う。駐車料金もとられないようだし。

 嫁のお守りを新しいものに変え、本厄なもので、自分の分の厄除けのお守りも買いました。正宮を参拝してから、おはらい町~おかげ横丁で買い食いに走る(笑)。食べ歩きも、伊勢参りの楽しみのひとつです。

 ざっと5時間ほど滞在したかと思うのですが、その間、松阪牛串・飛騨牛串・伊勢海老コロッケ・松阪牛コロッケ・伊勢うどん・伊勢海老汁・甘酒・棒胡瓜・かわあげくんなどを嫁と二人で食べ漁りました。まだお腹に余裕はあったのですが、夜飲みに行く予定だったので、手頃なところで切り上げることに。

 さて、伊勢市駅の近くで宿をとってあったものの、事前情報で飲食店の選択肢は少ないようだと予期していたので、某居酒屋チェーン店に行く事にしたのですが――夜、7時くらいに入店してまさかの客数ゼロで、え、今日土曜日だよね、と心配になりながらも席についてみると、どうやら2階で宴会が催されているらしいということが判明しました(その後、一時間くらい新規の客は来ませんでしたが)。

 それにしても、この店活気ないな、と思いつつ飲み物と一緒に料理を何品か注文したのですが、それらが出てくるまでに、まー時間のかかることかかること。2階の宴会客の注文に追われているにしても、いただけないくらいに遅い。一皿あけてしばらくしてから次の皿が出てくるといった按配で、そんなに手間のかかるものでもなかろうに・・・と考えて注文した料理もそんなペースだったので、さすがに気分よく酔うこともできませんでした。なんかもう、携帯でテレビ観て、犬の感動話に目頭が熱くなるくらいの余裕。

 なにしろ、他にこれといった選択肢がないので、飲みなおす事もできず、しょんぼりした感じでホテルに戻る――実は、その前に寄ったコンビニでちょっとした出来事があったのですが、これは内緒。

 で、その一泊したホテルの部屋にも謎の額が飾ってあり、こういったところの額の中身は、たいていは落ち着いた風景画だろうと思われるのですが、まさかのみやげ物コーナーの写真でした。しかも、そのホテルには、そんな売店ないし・・・・・・いったい、どこの売店だよ、と戻ってからもツッコミを入れたくなる始末です。

 伊勢参りは定例の行事にしてもいいけれど、伊勢市では当面宿をとるのやめようかな、と思う一日でした。

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「山風短」第一話

 いよいよ、「山風短」連載開始です! 月刊ヤングマガジン、コンビニで売っててよかった。

 手にとって、レジに持っていく途中、何気なく裏表紙をみたら、思わぬサービスカットでいささか動揺する(笑)。さて、相も変わらず原作に沿った、丁寧なせがわ先生の描写に間違いの無い安定感をおぼえながら、ふと打ち切りをくらったに等しいような「忍法剣士伝」を思い起こします・・・・・・やっぱり、掲載誌とか、大事だよなあ。

 内容ですが、今回のみどころは、人質にとられた陽炎のもの凄い投げと、正体をあかす場面での、胡坐の掻き方につきるでしょう。あと扇屋の親父に見せた、はにかんだ表情もよかったですね~。

 ――ていうか、今回は本編よりもむしろ、巻末の、

 ◆半年ほどで作品が切り替わります。何が来るかはお楽しみ。時代劇だけとは限らないかも。

 というコメントが気になっちゃってまー、仕方がないです。

 始まったばかりで言うのもなんですが、早くも次作になにがくるか、期待感で胸がいっぱいです。時代劇=江戸時代の終わりまでと考えるなら、明治物や、推理物の、おそらくは初コミック化が実現するというわけで、仮に山田風太郎の全短編作品を対象としてコミック化される「山風短」が、TVアニメ化とかされでもしたら、たぶん、興奮で鼻血がでると思います。

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婦女を童に代用せし事

 せがわ先生の新連載「山風短」がそろそろ読める時期になってきたので、「くの一紅騎兵」を再読してみました。

 ――まるで初めて読んだかのような読後感です。

 本編の筋立てよりも、南方熊楠が衆道の研究をしていたりとか、”背孕み”という言葉自体が実際にあるということに興味を覚えました。

 正直、いまなぜこの話を? と思うようなチョイスだと思いましたが(せめてあと一年始まるのが早ければ・・・)、”愛”の前立てで大人気のあの武将と、配下の「叛旗兵」ファミリーが、せがわ先生によってどのようなビジュアルになるのか、とても楽しみではあります。

 比較的短い原作なので、ページ数によりますが、2~3回で一話完結という感じでしょうか。

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するが一番

 「化物語 するがモンキー」を観たばかりなので、こんなタイトルです。元ネタは言わずもがな(笑)。

 今までに観たシリーズのうちでも、いちばん好きなエピソードかも。なにぶん、神原駿河が可愛い! レズを公言していても可愛い!! それだけが書きたかった!!!

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「山田風太郎賞」

 1月4日は、風太郎先生の誕生日です。

 存命であれば、88歳ということになりますが、もうこのくらいの年になると、さすがに新作の発表は難しいところでしょう。――それでも、いつかは構想中の「八犬伝」に着手してくださるのではという期待を、私たちは永遠にもつことができたのかもしれませんが。

 そういえば、昨年の「7th 風太郎祭」ですが、この不況の折、開催するかどうか、ギリギリまで検討に検討を重ねておられたそうです。例年通りに開催される運びとなったのは、タイトルにあるように、角川書店が文学賞「山田風太郎賞」を設立するという朗報が入ってきたからとのことで、山田風太郎の名前を冠した文学賞が誕生したことにも度肝を抜かれましたが、そのことによってこうした活動の火が一時であれ消えずに済んだことは、とてもうれしく感じられるのです。

 さて、文学賞「山田風太郎賞」とは、

 新人、新進、中堅作家の単行本として発表された長編および短編集の文芸作品が対象となり、ミステリー、時代、SFなどジャンルを問わず、その年に発表された最も面白いと思われる作品に贈られる

 との内容で、【その年に発表された最も面白いと思われる】という、選者にとっても作家にとっても、ものすごくハードルの高い賞になると思われるのですが、それにしたって、面白い作品が必ず選ばれることに間違いはないわけで、いやでも注目していくことになるでしょう。

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「厭魅の如き憑くもの」

 三津田信三著「厭魅の如き憑くもの」読了。

 年末~年始にかけて、一所懸命読むような類の本ではないとは思いますが、神々櫛村に起こった怪事件の全容と、結末が知りたくて、なにはさておき読みきりました。

 とても人間の仕業とはいえない怪現象のいくつかが、合理的かつ論理的に説明されていく過程というものは、ある種、興を削がれる作業になるおそれもありますが、この作品を始まりとする刀城言耶シリーズは、それでもなお説明のつかない不可解な現象はある、という部分を含みつつ、語られていくようです。そうした人知の及ばないホラー要素が、横溝正史や京極夏彦の代表的な作品の構成と大きく違うところでしょうか。

 ――世の中には、不思議なことなど何も無いのだよ

 では決してないのです。

 それにしても、刀城言耶が数多の怪事件を解決していく物語譚の、最初の事件としてこの作品があるならば、彼の今後の活躍には、きっと注目せざるをえないような推理の披露でありましたが、結論としてまわりくどく、そのために少しばかりやられたという感じが薄れたような気がするのは、私だけではないと思います。

 仕掛けを理解して、再度全体を通してみれば、とても面白かったと言えますが。

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2010

Tunnel_project_seruna2010  新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

 (ちなみに年賀状は嫁の描いたイラストです)

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