「THE FINAL SOLUTION」
久しぶりに翻訳物ミステリを読みました。
原題が、「THE FINAL SOLUTION」というのですが、翻訳されるにあたって、「シャーロック・ホームズ 最後の解決」というタイトルがつけられています。
――っていうか、この邦題、壮絶なネタばれじゃね?
もちろん、ホームズものとわかったからこそ、購入した部分もあるのですが、とある事件の解決に乗り出すサウス・ダウンズの年老いた養蜂家が、実は世界一有名な諮問探偵であったという真実こそが、この小説の肝であったような気がするのです。
実際、作中で語られる事件は、さほど劇的でも、謎めいてもおらず、ホームズの名推理が発揮されるような場面もなく、オウムの歌う数字の意味も、曖昧模糊として、至極中途半端な印象を受けました。
ホームズ物と知らなければ手に取ることもなかったでしょうが、知って読めば満足感が得られない、実に困った小説なのです。著者のマイケル・シェイボンは、「ユダヤ警官同盟」という作品で多数の賞をとったくらいですから、それは素晴らしい作家なのでしょうけれども。
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