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2010年3月

「矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~」

 先日行った、”矢島美容室 ファン感謝祭”で、「矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~」を観ました。

 もともと映画には行く予定で、前売チケットも購入済みだったもので、”ファン感謝祭”で映画をフル上映されると知った日には、(´・ω・`)としたものですが、当初予期していたアルバム曲を全部お披露目されるよりは、”ファン感謝祭”としてのテーマがはっきりしていて、よかったのかもしれません。

 上映時間は、100分程度とのことで、上映前に矢島美容室を始めとした出演者の舞台挨拶がありました。個人的には特に気になる出演者もいなかったのですが、会場全体が、映画上映前のライブの熱も冷めて、試写会か初日の舞台挨拶に来たような、ちょっと落ち着いた雰囲気に変化します。

 出演者目当てで映画を観ることが滅多にないので、映画そのものの感想を書くことになりますが、実のところをいうと、3分の1くらいは寝ていました。

 ストーリーがどうとかいうより、演出法などが自分の好みに合わなかったみたいです(あとで調べてみたら、監督の方はもともとはCMディレクターのようで、それもけっこう有名なCMを撮っておられました)。

 それでも、父親徳次郎の正体には驚いたり(名前から想像して北野たけしが来るかも、と勘繰っていましたが、見事に外れ)、エンディングには眠気も吹っ飛ぶくらいの熱を感じたりはしましたが・・・・・・これが映画ではなく、ミュージカル調の舞台だったら、十分に満足のいく内容だったのに、とも思います。

 もう一回、観に行くことになっているので、次は寝ないように気をつけないと(嫁に怒られる)。 

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矢島美容室 ファン感謝祭

『映画完成記念!矢島美容室ファン感謝祭』

東京国際フォーラム ホールA

本日、嫁と行ってきました。

20100322yajima_01

嫁はかなりなテンションで喜んでおりましたが、

疲れているので続きはまたいずれ…

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「竹島御免状」①

 荒山徹著「竹島御免状」を読み始める。

 ――噂には聞いていましたが、山田風太郎先生の「魔界転生」を、”歴史的にあった”事として荒山ワールドに取り込んでしまうというアクロバティックな行為に、まず驚嘆せざるをえません。

 たぶん、荒山先生は、風太郎ワールドでの十兵衛の最期を描いた「柳生十兵衛死す」がお気に召さなかったに違いなく(そもそも「十兵衛死す」は、「柳生忍法帖」~「魔界転生」に繋がる柳生十兵衛三部作の完結篇という扱い方をされてはいますが、主人公十兵衛の性格や設定に前二作との脈絡がなく、まったく別世界の出来事として見たほうがよい)、それならばいっそ自分が、「十兵衛死す」以上に相応しい、”本当の”柳生十兵衛の最期を書いてやろう、という気持ちで筆を執ったのだろうと想像してしまうのです。

 それは、非常に興味のある話でもあり、また、ある種不安を掻き立てられずにはいられない話でもあります。不安とは、いくら「魔界転生」の後日譚と謳ったところで、鎌倉東慶寺の一件を持ち上げている以上(「柳生忍法帖」にあらず、「柳生薔薇剣」での一件)、あくまでも荒山ワールドでの延長とみなさなければいけないからです。

 まあ、まだ最初の数章を読んだばかりなので、本当に本作で柳生十兵衛が死ぬのかどうかすら、今の時点では判然としないのですが・・・・・・この先明らかにされるであろう、さる藩内で繰り広げられる幻闘と、二度目の荒木又右衛門との対決の帰趨がどうなるのか、「魔界転生」を愛読する者として、注目していきたいと思います。

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「サラン 哀しみを越えて」

 荒山徹著「サラン・故郷忘じたく候」が手に入ったので、早速読んでみることに。

 【あちこちでおびただしい篝火が燃えていたのは、月のない朔日の夜であったせいではない。

 月はなかったが、五月である。満天に銀砂を撒き散らしたように無数の星が輝いている。その下で、夕刻に進駐してきた倭軍の一部隊が大っぴらに篝火を燃やしているのは、むろん朝鮮側からの反撃を警戒してのことであったろう。】

 冒頭のこの一文を読むだけで、作者の意図が伝わってきて、鳥肌が立つ思いです。すなわち、これは山田風太郎「魔界転生」の冒頭と、ほぼそっくり同じだから。

 【あちこちでおびただしい篝火が燃えていたのは、月のない朔日の夜であったせいではない。

 月はなかったが、三月である。どんよりと垂れこめた雲には、いぶし銀のようなひかりがあった。その下で、各陣営が大っぴらに篝火を燃やしていたのは、むろんいくさが終わったからである。】

 島原の乱収束直後の場面から始まる「魔界転生」と、その乱の首魁となる2人の人物の登場を示して終わる「サラン 哀しみを越えて」――読み終えるまでは、こんなにも深く、静かで、ひたむきな復讐の情念がこもっている内容になっているとは思いも寄りませんでした。

 わたしゃー、てっきり、「柳生薔薇剣」や「柳生百合剣」のようなノリで、「魔界転生」の前日譚が描かれていると思っていたもので・・・。

 「魔界転生」との直接のつながりを示す登場人物が他にも居て、それはここでは触れないことにしますけれど、山田風太郎ファンならば、一読の価値はある作品となっています。

 【サラン、サラン、わが愛は・・・・・・

 ・・・・・・サラン、サラン、哀しみを越えて、まかいに転び生まれて候・・・・・・

 そのタイトルの意味に、誰もが驚愕することでしょう。

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「シャーロック・ホームズ」

 数十年ぶりにシャーロキアンの血が騒ぎ(一時期、日本シャーロック・ホームズ・クラブに在籍しており、研究本も何冊か購入)、ガイ・リッチー監督、ロバート・ダウニー・Jr主演「シャーロック・ホームズ」を観て来ました。

 予告編と前評判から、原作のホームズとは似ても似つかぬことを承知して観れば、それなりのエンターテイメント作品です。イメージとしては、ダン・ブラウン原作、トム・ハンクス主演の、あのシリーズに近いでしょうか。

 グラナダ版「シャーロック・ホームズの冒険」をわざわざ引き合いに出さなければ、ロバート・ダウニー・Jrのホームズもまたよし、ジュード・ロウ演じるワトソンはなかなかのはまり役で、このコンビであれば、続編の製作も大歓迎です。

 ただ、役割的に残念だったのは、アイリーン・アドラーかなあ。深作版「魔界転生」で、家綱まで出しちゃった! っていうくらい失笑ものでした。アイリーン・アドラーについては、次回作では出演を再検討したほうがよいかもしれません。

 映画とは関係ありませんが、久しぶりにシドニー・パジェットの描いたホームズを目にしたら、クリント・イーストウッド主演で「シャーロック・ホームズ 最後の解決」映画化も面白いかな、と思いました。

 

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「魔界転生」異聞

 荒山徹先生の「竹島御免状」(←なかなかのタイトルです)が、山田風太郎先生の「魔界転生」後日譚だという噂を聞きつけ、早速購入に走りました。あくまでパロディ的な意味なんでしょうけれど、荒山作品には文章そのものをパロった箇所も多く見受けられるので、気づいたときのニヤニヤ感が止まりません。

 また、「魔界転生」の前日譚とも評される短編集「サラン・故郷忘じたく候」は、近所の書店には置いてなかったので、もう少し探してみてから、ネットで注文することにでもします。

 ――最近、読書するのが楽しいな。

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「女王様と私」

 歌野晶午著「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」読後のもやもや感を抱えたまま、続編となる「密室殺人ゲーム 2.0」に取り組む前に、ワンクッション入れとこうという気になり、同じ作者の「女王様と私」をチョイスしてみました。

 タイトルだけ見たら、もっと後にしてもよい作品だったと思うのですが、タイトルから内容が計り知れないという事情もあって、この作品を読もうと考えたのかもしれません。出版社も不明のまま、ただ歌野晶午の名前を頼りに「女王様と私」を探し出しました。

 結果、購入したその日のうちに、一気に読み終えることに――こういうことって、振り返ってみても、そうそうないことだなあ、と我ながら驚きます。

 それは、連休の一日目に読み始め、翌日も休みでゆっくりできるという気兼ねのなさがあったせいとも思いますが、やはり根幹として、「女王様と私」というストーリーにのめりこむことが出来たからでしょう。

 いや、本当に、3分の2くらい読み進めた時点では、もしかして作者の最高傑作? と疑い始めていたくらいです。ネタばれになるので、物語のプロットやつっこみどころを記すのは控えることにしますが、世間一般の書評はともかく、おそらく、自分の中では、長く記憶に残る作品となりそうです。

 さて、本文中の台詞のやりとりに、

 「・・・・・・ええと、今日はたしか木曜日ですよね」

 「お。『うたばん』見なきゃ」

 というのがあって、とんねるずのタカさんファンの嫁に見せたところ、なにやら興奮していましたが、特にこれ以上キミの好奇心を満足させることは書いていない、と申し送りしました。

 「それ、ラノベ?」

 とも聞かれましたが、俺がラノベを読むわけがないでしょうがッ。

 とはいえ、これって、ラノベの定義は知らず、ある種歌野晶午によるラノベ、と呼んでも差し支えないのかも・・・・・・。

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「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」

 忍城を舞台にした時代小説を2冊読んだのを機に、「風来忍法帖」を再読しようかと思い立ったのですが、「シャーロック・ホームズ 最後の解決」「紅蓮の狼」と一緒に購入した、歌野晶午著「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」を先に片付けることにしました。

 昨年、講談社ノベルスで刊行された「密室殺人ゲーム 2.0」を手にとって以来、無性に気になっていた作品で、ちょうど文庫化された「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」を購入したものです。

 とにかく設定が飛んでいます。

 はっきりいってしまえば、道徳も倫理もない有害図書とも分類すべき内容ですが、それだけに、深夜枠でドラマ化されればたいそう面白いに違いない、と想像をめぐらせていたのですが、結末に近づくにつれ、さすがにこれ、映像化できないわ、と認識を改めることになりました。

 それは、歌野晶午の真骨頂ともいうべきものです。

 歌野作品は、これを含めてまだ3冊しか読んでいないのですが、それぞれ趣が異なり、多彩なアイデアの持ち主だな、という印象が強くなってきました。

 だけどまあ、最初に読んだのがこの「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」でなく、だいたいの人がそうであるように、「葉桜の季節に君を想うということ」であったことは僥倖で、本書をまず手にとったと仮定した場合、もうこんな頭のおかしな発想をする作家の本は二度と読まない、という結論に至らなかったとも言い切れません。

 ――ああ、そういえば困ったことがひとつ。これを読み終えたら「風来忍法帖」を、と決めていたのに、こんなにも私の心の中の衝動を引き起こした作品の続編を、すぐにでも買いに行かなければ気持ちが収まりそうにありません!

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