「十三人の刺客」
公開中の三池崇史監督「十三人の刺客」を観ました。
原作(脚本)となった工藤栄一版「十三人の刺客」を観たのは、忍法帖にどっぷり嵌まって映像関係でも時代物を漁っていた時期ですから、20代前半のあたりでしょうか。物語のプロットを見て、「これは絶対に面白いに違いない」と思った記憶があります(ただし、実際に鑑賞したところ、予想したほど血が滾るほどではなかったのですが)。
今回は平成の作品ですから、旧作よりも知っている俳優が多くなじみもあり、なにより監督が三池崇史だということもあって、制作発表時からとても楽しみにしていたものです。
さて、肝心の中身ですが――
前半のえぐさは三池監督の真骨頂というべきものでありますが(それゆえに地上波放送は期待できません)、刺客のうち12人までが集まるまでは、かなりまともな時代劇を撮っているな、という印象を受けたのですが、13人目の登場から、三池監督のもうひとつの面が形を表しはじめます(笑)。
正直、13人目のくだりは一切いらなかったのでは、というほどです。
まあ、ラストの謎の演出も含めて、これが三池崇だと言われれば、まさにそうですねと言い様がないのも事実ですが・・・・・・今作に限っていえば、息抜きのためのギャグはできるだけ控えてもらい(極力控えてあれだったのかも)、最後までハードな時代劇を貫いてほしかったところです。
でも、興行収入とかを考えると、そうもいかない部分があるのでしょうねえ。
それでも、全体としては非常に満足のいく内容となっていました。DVDも発売されたら買うと思いますが、バカ殿の参勤交代一行が街道を疾駆するシーンが格好良く撮れていて、できれば大画面でもう一度観てみたい映画です。
この映画観たら、三池監督が「柳生忍法帖」を撮ったらどうなるんだろう、と密かに興奮してしまいました。
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