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2011年1月

「忍法剣士伝」

__2  そういえば、行ってから分かったことなのですが、鹿島神宮の鎮座する鹿島は、剣聖・塚原ト伝の生誕地だそうで――

4800_20080701174321  塚原ト伝をNHK大河ドラマ化にしたい! ということで精力的なキャンペーン(署名運動)を実施しておられました(地元民ではないのでそのままにしてきちゃったけど、署名してくればよかったかな。と、少々後悔の念にかられていたら、ネットでも署名運動に参加できるようです)。

 山田風太郎的にアプローチすると、「忍法剣士伝」ということになります。

 【塚原ト伝。

 このとし八十六歳。

 常陸塚原の人。本名は高幹という。

 祖父高安が同国香取の大剣人飯篠長威斎に天真正伝神道流を学び父の新左衛門安重も長威斎の高弟松本備前守から一の太刀の秘伝を受けたが、ト伝はそれらすべてを総合し、おのれの血肉として新当流を編み出して、世人はこれをト伝流と呼んだ。

 ただしト伝というのは晩年入道してからの号で、それまでは塚原土佐守という名で世に知られた。

 一生のうち、戦場に出ること三十七度、真剣の試合をすること十九回、斬った敵の首は二百十二に達したが、その間六か所の矢傷以外、一か所の刀傷槍傷も受けたことがなかったという。】

 宮本武蔵との「鍋蓋試合」は史実ではないようですが、「無手勝流」と「家督相続」の話は、この大剣人らしい逸話と言えるでしょう。

 山田風太郎著「忍法剣士伝」では、飯綱七郎太の姦計によって、他の十一人の剣士・剣豪・剣鬼たち諸共に畜生道に堕とされかけますが、弟子の上泉伊勢守とともに果心居士の魔道を払拭する塚原ト伝の描写は、まさに剣聖と呼ぶに値するものです(といって、この文章を読まれて「忍法剣士伝」を初めて手に取られるという方は、せいぜい腰を抜かされぬようご注意を!)。

__3 最後に、鹿島神宮前の街路にはこんな石碑までありました。「藤枝梅安生誕地」の枯れ具合を視認した身としては、うらやましい限りの力の入れようです。全国各地の剣豪ゆかりの地にも巡ってみたくなっちゃいます。     

 

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1月の読書と映画

 三津田信三著「忌館」、やっと読み終わりました・・・・・。

 久しぶりに本を読んだせいか、文体のせいか、ジャンルのせいかは分かりませんが、最初の方、ちょっと読みにくかったです(終盤は怒涛のペースで読めました)。

 ホラーと銘打っていますし、面白いには面白かったのですが、三津田先生の本は刀城言耶シリーズを先に読んでいるため、「忌館」に期待していたものと、実際の内容にいくばくかの隔たりがあったのは到底無理からぬことであります。

 「作者不詳」を読むために読んだ作品ですけど、少し疲れ(憑かれ)ちゃったので、「作者不詳」は間を開けて読むことにします。先日出た【山田風太郎ベストセレクション】の「妖説太閤記」でもいっとくかー。

 あと「告白」「インセプション」「アイアンマン2」のDVDを借りて立て続けに観ました。

 エンターテイメントとして一番面白く鑑賞できたのは、「告白」でしょうか。原作を先に読んでおり、映像化に興味があった作品でしたが、なるほどうまい具合に映画に仕立てたものです。

 「インセプション」は雪山のシーンにひねりがなかったのを除けば、夢の階層という設定が興味深く、シナリオがよく練りこまれていたと思います。「アイアンマン2」においてはシナリオにやや不満といった感想です。馬鹿みたいにアクション漬けにしなかったのは好印象ともいえますが。

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WILD HEAVEN

_  1月中旬に、鹿島神宮へ詣でております。

 もともとは伊勢神宮へ行く予定だったのですが、あいにく雪が降りそうな天候となってきたので、雪中の運転に不慣れな私は、1日前に急遽行き先を変更したのでした。

 結局、北関東でも雪は降ったのですが、もし同じ日に伊勢神宮へ行っていたら、東名の通行止めで翌日の仕事は休む羽目になっていたかもしれません(なにか感じるところがあって、直前まで宿を取っていなかったのは正解でした)。

 さて、で、なんで鹿島神宮なのかというと、最近になって日本の神話に興味を持ち始めたきっかけになったのが長野の諏訪大社にお参りに行ってからで、そこの祭神のタケミナカタと特に因縁の深いのが、この鹿島神宮に祭られているタケミカズチだったからです。

 神話上では伊勢神宮のアマテラスとも縁の深い神様ですから、ならば先にこちらへ、ということにしたのでした(いつか行くつもりではありましたし)。

__2  神話の講釈は省きますが、鹿園があります。鹿は鹿島神宮では神の使いとされています。

__3  いっぱいいるのですw

__4  地震を押さえているとされる要石の参道入り口にはこんな石像が。頭を踏みつけられているナマズの顔が、ユーモアたっぷり。

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__6  御手洗池側の売店で食べたお団子と鮎の塩焼きは美味でした。

__7  楼門は「日本三大楼門」に数えられるとか。

 【鹿島神宮】

 式内社。常陸国一宮で、旧社格は官幣大社。全国に約600社ある鹿島神社の総本社。同県神栖市の息栖神社、千葉県香取市の香取神宮と合わせて、東国三社と呼ばれる。

 タケミカズチを祭神とする。タケミカズチは香取神宮に祀られているフツヌシとともに、武芸の神とされており、武術の道場には「鹿島大明神」「香取大明神」と書かれた2軸の掛軸が対になって掲げられていることが多い。

 ちなみに今、嫁さんが古事記のマンガを描いています。

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__02  あくまで下書き程度ですが、ちょうどタケミカズチVSタケミナカタのくだりだったので、僭越ながら紹介させていただきますね。

 嫁からコメント:下描き汚くてゴメンよー(´・ω・`)

 さー、伊勢神宮にはいつ行こう。

 ・・・・・・実は今週末に予定をしていたのですが、事故ったので延期することにしました。

 

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「第一回 静岡戦國祭」

 23日の日曜日に駿府公園内で催された、「第一回 静岡戦國祭」に行ってきました。

 私自身は戦国時代についての造詣が、ほとんどといっていいくらいないのですが、昨今の戦国ブームへの県内での関心のバロメーターになるものと考えていて、かなり期待して出かけたところ・・・・・・、

Photo  終始このような状態で、静岡祭りや大道芸ワールドカップなんかの人の多さを経験している身としては、ちょっと寂しい思いがしたことは否めません。まあ、観客全員参加のジャンケン大会があったりして、アットホームな感じではありましたし、今回の反省を次回に生かして、末永く続くイベントになればいいな、と思います。

 ちなみに自分が感じるところの反省点は、告知があまりされていないようだったことと、漫画「センゴク」の原作者・宮下氏を交えたシンポジウムが別の会場でおこなわれ、駿府公園内のイベントとバッティングしたこと、あとはこの寒い季節に屋外で実施されたこと、の3点でしょうか。

 以下、いくつかショットを紹介します。

Photo_2  遠州鎧仁会の皆様。浜松や掛川で活動されているそうです。静岡祭りでも見かけた気がします。

Photo_4  宮城から参戦の奥州片倉組の皆様。甦った武将たちという設定での寸劇を披露。

Photo_5 それを見る徳川家康。真田幸村がちらちら気にする(笑)。

Photo_6  歴ドル(?)の織田かずささん。この名前で、好きな武将は明智光秀ですって。

Photo_8  安土のゆるキャラも駆けつけた! なぜ、しずポン(ステージ上に見え隠れするタヌキのキャラクター)の着ぐるみをこの日までに準備できなかったのか、それが悔やまれます。第2回以降でチャンスがあったら、ひこにゃんその他を誘致して、「ゆるキャラサミット in 静岡戦國祭」を検討するべき。

Photo_9  大河ドラマ「江」ゆかりの長浜からは、長浜歴ドラ隊の皆様が。この方々は素人ではないと思いますが、さて。

Photo_10  最後は皆さん打ち揃っての記念撮影となりました。

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2_2  その他、岐阜から天下布武隊の皆様などが参加されてステージを盛り上げてくれました(なんか、忍者みたいなのもいたような気がしますが、あまり覚えていません)。懲りずに2回目も来てくださいね。

 なんやかやで、静岡でもこんなイベントが開催されたことを嬉しく思います。

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書留(メモ)る

 今後のために、角川の【山田風太郎ベストコレクション】刊行リストを他所から引っ張ってきて書き留めておきます。

 2010.7月:甲賀忍法帖④、虚像淫楽 ③
 2010.8月:警視庁草紙(上・下) ③
 2010.9月:天狗岬殺人事件①、太陽黒点 ②
 2010.10月:伊賀忍法帖④、戦中派不戦日記 ②
 2010.11月:幻燈辻馬車③、風眼抄 ②
 2010.12月:忍法八犬伝③、忍びの卍 ②
 2011.1月:妖説太閤記(上・下)②
 2011.3月:地の果ての獄(上・下) ②
 2011.6月:魔界転生(上・下)⑤
 2011.9月:誰にも出来る殺人②、夜よりほかに聴くものもなし ②
 2011.12月:風来忍法帖④、あと千回の晩飯①
 2012.3月:柳生忍法帖(上・下)⑤
 2012.6月:人間臨終図鑑(上・中・下)②
 2012.9月:妖異金瓶梅②、明治断頭台③
 2012.12月:おんな牢秘抄②、くノ一忍法帖④

 あらためて見てみると、今月に「妖説太閤記(上・下)」が出た後は、3ヶ月毎の刊行になるみたいですねえ。これくらい間隔を開けるなら、是非とも解説方面の充実を期待したいところですが――やっぱ、再録ばっかりだと、ちょっと購入意欲が削げそうなので。

 ちなみに作品名のあとの数字は、いま自分が所有している冊数でして、この全集を全て揃えると、さらに①ずつ加わることになります(もうすでに購入済みのものも あるわけですが、「魔界転生(上・下)」と「柳生忍法帖(上・下)」が飛びぬけているのは、毎日新聞社刊行の単行本が含まれているからです)。

 ・・・・・・・一冊あれば十分とは言わないで。

 だって、新たに刊行される度に欲しくなってしまうんですから。

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【山風短】第二幕「剣鬼喇嘛仏」最終話

 【山風短】衝撃の第二幕、「剣鬼喇嘛仏」が七話をもって完結となりました。

 せがわ先生の手による登世が、なんとも可愛らしく健気だったものですから、原作と違うラストでも構いませんよ、という想いで読み続けてきたこの半年でしたが、原作を誤ることなく、終章(エピローグ)という形を追加し、新たに構築されたこの第二幕をもって、せがわまさきと山田風太郎のコンビネーションはますます成熟したのではないでしょうか。

 また、本筋とは関係ないですが、千姫を囲む女衆は、真田配下のくノ一たちではなかったのかと、余計な想像力をかき立てられてしまいます。

 しかも、この流れで、来たる第三幕の原作に選ばれたのが、「青春探偵団」とは!

 連載開始直後から、忍法帖以外のコミック化も期待していたこのシリーズですが、こちらの想像をはるかに超えた広がりを見せてくれそうです。

 次号の発売日まで心待ちにすることといたしましょう。

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初詣

 このタイミングで、元日の話になりますが、初詣に行きました。

 ここ数年は、年が明けて神社やお寺に出かけても、お参りそのものはせずに、おみくじを引いたり甘酒やお神酒を頂いたりして帰っていたのですが、今年は嫁さんの実家近くの熊野神社での初詣となりました。

 せっかくなのでお守りをいただいて、じっくり境内を見てみると、両脇に御霊神社と那閉神社の2社がります。はて御霊神社はなんとなく分かるけれど那閉神社って何の神様を祀っているんだろう、と興味が湧き立ち調べてみたところ、同じ市内に那閉神社があることが判り、御祭神も大黒様と恵比寿様ということで、商売繁盛を願って、翌日こちらにもお参りすることにしました。

_01 ナビで示されたルートは道が狭く、注意深く進むことに。当目山という、海岸近くの山を背景に那閉神社があります。

_02  本殿。静かな漁村といった風情の立地で、他に参拝客はいないんじゃないか、と思っていたのですが、2組ほど先に参拝している方々がいて、自分たちが参拝を終えた後からも、数組訪れていました。

Photo  本殿の手前に、御祭神のオオクニヌシとコトシロヌシの像がありました(この2柱の父子神は商売繁盛の神様で非常によく知られていますが、「古事記」での国譲りの話でも有名ですね)。

 さて、地元での初詣は済ませましたが、今月中には伊勢神宮にも詣でる予定でいます(これはほぼ毎年の恒例として固まってきました)。

 また、今年は他にも行きたいと強く考えている場所があって、それは熊野三山なのですが、一昨年「魔界転生」ゆかりの地巡りで寄った、青岸渡寺に隣接する熊野那智大社に加え、熊野本宮大社と熊野速玉大社にお参りしたいと考えています。

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嫁から年賀イラスト。

Seruna2011_akeome

新年明けましておめでとうございます。

嫁から皆様への年賀状。

今まで描いた年賀状の中では一番気に入っているイラストだそうです。

本年も『十兵衛ぶろぐ(仮)』を宜しくお願い致します。

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