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2011年3月

【山風短】第三幕「青春探偵団」第二話

 【山風短】第三幕「青春探偵団」第二話、テンポよく進んでいる様子で、あと2回くらいで終わってしまうようなペースではあります。

 原作は数話で構成されていましたから、単行本化のときのことを考えると、もう1エピソード紹介されるかもしれませんね。個人的には、寮を入れ替える話がけっこうなスリル感でいいと思います。

 今回は半子が投擲した桃の実が悪漢の顔にぶち当たって、派手に血を噴出すところで笑ってしまいました。

 さて、第二幕「剣鬼喇嘛仏」を単行本であらためて読み直し、せがわ流のアレンジにまたしてもほれぼれしてしまったのです。あの人を食ったような設定は、山田風太郎ならではの奇抜さですけれど、読後感の清清しさは、やはり山田風太郎にはありえないものであり、せがわ先生の漫画家としての経験や、風太郎作品に対しての畏敬の念に溢れているからこそ、と感じるのです。

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「幻燈辻馬車」

 【山田風太郎ベストコレクション】にて「幻燈辻馬車」読了。

 再読となりますが、一度目に読んだのはかれこれ十年以上は経っているかと思いますので、良い具合に細部を憶えていませんでした。「警視庁草紙」に続く、風太郎明治史第二幕にして、かなりの完成度を誇っている本作です。それゆえに通好み、といえるかもしれません。

 他の明治物と比較して、多少の謎解き要素はあるものの、わかりやすいエンターテイメントではないというのが、通好みと考える所以ではありますが、平気で幽霊が出てきて、その幽霊が人並に物事に驚いたり、恐怖したりする、というのはなんかとてもほのぼのとして、戯作者山田風太郎の本領発揮とも言うべきものとなっています。

 これでやっと、岡本喜八脚本の「幻燈辻馬車」に目を通せるというものです。

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