「ジュウ〜忍法魔界転生」第6話
第6話にして、ようやく表紙に主人公登場。今のペースから考えると、本編登場までにはあと3話ほど要しそうです。ここまで主人公が出ない漫画がかつてあったでしょうかw
さて、今回もっとも重要なのは、前作「柳生忍法帖」と本作を具体的に繋げる柳生但馬守のセリフでしょう。病床にあって、宝蔵院の「ときに御長子は?」という問いかけに対し、宗矩は、
「十兵衛か? ・・・あれは柳生谷に放逐しておる」
「3年前、会津でいらざる騒動を起こしたのでな・・・」
と、ハッキリと述べます。これには私も不意をつかれました。
原作既読者にはとうにわかっている通り、「魔界転生」と「柳生忍法帖」を原作小説でわずかに繋げているものは、【故山の剣侠】の章での、柳生十兵衛がかつて女人を指南したことがあるということを匂わせる数語のみで、それが会津でのあの壮絶な復讐劇であったと、明確に示しているわけではないのですが、なんということか、このコミック化に当たり、せがわまさきはついにそれを明確にしてしまいました!
ここにおいて、ついに我々読者は、「Y十M〜柳生忍法帖」と「ジュウ〜忍法魔界転生」が地続きの物語であることを認識するに至るのです。
ちなみに原作で柳生但馬守が述べている、この【3年前】の事件とは、上様を御気絶なさるまで打ち据えたというもので、これはコミック版でも上のセリフの数コマ後にフォローされているものですが、実際年表を調べてみると、今話の出来事が正保3年(1646年)3月というのが原作での記述で、堀主水一件に端を発する復讐劇が幕を閉じたのが寛永20年(1643年)となっているので、「魔界転生」は「柳生忍法帖」のまさにちょうど3年後の物語となるわけです。これ、意外と風太郎先生は見落としていたのかもしれないですね(あえて、かもしれませんがw)。
これで「Y十M〜柳生忍法帖」最終回から「ジュウ〜忍法魔界転生」の第1話の間隔が3年だと出来過ぎなのですが、世の中そんなにうまくいくわけなく、およそ4年の月日が経っています。
最後に、柳生宗矩のモデルが今更ながら、クリントイーストウッドに思えてきましたw
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