魔界転生

「ジュウ~忍法魔界転生」第18話

 「魔界転生」の原作が発表されて今年で50周年ということで、なんともおめでたい年なのです。

 今回はクララお品再登場に加え、いろいろアレンジが施されていて、読んでいて楽しかったなあ。クララはそのうちコミックの表紙にもなりそうね(忍体娘3人での登場でも可)。

 また、アレンジされているとはいえ、原作での、

・「ーーなるほど」
・「・・・見たい」「・・・見たいのう」

 以上ふたつの名場面が表現されていたのは、原作フリークとしても実に満足なことでした。

 次回、柳生十兵衛と転生衆の、まさかの直接対峙はあるのでしょうか・・・? まあ、ちょっとなさそうな展開かw

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「ジュウ〜忍法魔界転生」第9話

 ――ついに、敵はその編成を終えました。

 転生衆揃い踏みの構図が尋常ならざる迫力です。不在の2人を加えたなら、「忍法剣士伝」の大剣士軍にもひけをとらない大戦力となることでしょう。

 さて、主人公たる柳生十兵衛が、まだ出てこないわけですが・・・・・・w

 第10話の最後辺りでの肉声発生に期待しましょうか。「Y十M~柳生忍法帖」からの読者としては、例の“敵討ち”のくだりで十兵衛先生がふと虚空を見つめて、生死を共にした堀の女たちの顔を思い浮かべるような演出があると、より一層、前作と本作の十兵衛が同一人物と認識でき、感無量となること間違いなし――なのですが。

 また、宗意軒配下の3人のくノ一の名前も明らかではありませんが、9話の表紙絵から推測すると、右からクララ・フランチェスカ・ベアトリスというところでしょうか。クララ可愛いな。

 今後も大きな改変もなく物語は進行していくものと思われますが、ひとつ、個人的な望みをあげるとすれば、原作にはまったくない、転生衆たちの“昇華”という部分です。自ら進んで鬼畜に成り下がった大剣士たちの末路は、自業自得とは言え、そこになにかせがわ先生なりの漫画家としての解釈をプラスできれば、ただの「魔界転生」コミカライズにはならないと考えるんだけど・・・・・・ん~、やっぱりいらぬ世話ですかねえ。

 そういえば、9ヶ月経って、これだけは書いておきたかったことが――転生前の四郎が美人すぎるw 一番ギャップが激しいのは、こやつじゃないかw

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「ジュウ〜忍法魔界転生」第6話

第6話にして、ようやく表紙に主人公登場。今のペースから考えると、本編登場までにはあと3話ほど要しそうです。ここまで主人公が出ない漫画がかつてあったでしょうかw

さて、今回もっとも重要なのは、前作「柳生忍法帖」と本作を具体的に繋げる柳生但馬守のセリフでしょう。病床にあって、宝蔵院の「ときに御長子は?」という問いかけに対し、宗矩は、

「十兵衛か? ・・・あれは柳生谷に放逐しておる」
「3年前、会津でいらざる騒動を起こしたのでな・・・」

と、ハッキリと述べます。これには私も不意をつかれました。

原作既読者にはとうにわかっている通り、「魔界転生」と「柳生忍法帖」を原作小説でわずかに繋げているものは、【故山の剣侠】の章での、柳生十兵衛がかつて女人を指南したことがあるということを匂わせる数語のみで、それが会津でのあの壮絶な復讐劇であったと、明確に示しているわけではないのですが、なんということか、このコミック化に当たり、せがわまさきはついにそれを明確にしてしまいました!

ここにおいて、ついに我々読者は、「Y十M〜柳生忍法帖」と「ジュウ〜忍法魔界転生」が地続きの物語であることを認識するに至るのです。

ちなみに原作で柳生但馬守が述べている、この【3年前】の事件とは、上様を御気絶なさるまで打ち据えたというもので、これはコミック版でも上のセリフの数コマ後にフォローされているものですが、実際年表を調べてみると、今話の出来事が正保3年(1646年)3月というのが原作での記述で、堀主水一件に端を発する復讐劇が幕を閉じたのが寛永20年(1643年)となっているので、「魔界転生」は「柳生忍法帖」のまさにちょうど3年後の物語となるわけです。これ、意外と風太郎先生は見落としていたのかもしれないですね(あえて、かもしれませんがw)。

これで「Y十M〜柳生忍法帖」最終回から「ジュウ〜忍法魔界転生」の第1話の間隔が3年だと出来過ぎなのですが、世の中そんなにうまくいくわけなく、およそ4年の月日が経っています。

最後に、柳生宗矩のモデルが今更ながら、クリントイーストウッドに思えてきましたw

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「十<ジュウ> 忍法魔界転生」予告

 鳥肌立った!

 ・・・・・・もう一度、言いますね。

 鳥肌立った!!!

 ・・・・・・もう一度、言いますね。

 鳥肌立った!!!

 何に? って、そりゃもう、決まっているでしょう。

 せがわまさき×山田風太郎による新連載・「十<ジュウ> 忍法魔界転生」の予告広告にですっ!

 「Y十M」連載終了後、しばらく間を空けてでも「魔界転生」もやってくれると嬉しいな~くらいには考えていましたが、いざ発表されたらされたで、もうテンション上がる上がるw

 「十<ジュウ>」とは、また奇抜なメインタイトルをつけたもので、これは当然ながら、

   ・柳生十兵衛の「十<ジュウ>」であり、

   ・森宗意軒の妖しの「十<ジュウ>」本の指であり、

   ・転生する「十<ジュウ>」人の魔人であり、

   ・志し高き、自称・柳生「十<ジュウ>」人衆であり、

   ・物語の発端である島原の乱の「十<ジュウ>」字架

 なのでしょう。

 すでに別の作品中で登場している、柳生但馬守と宮本武蔵のビジュアルも気になるところですよね。

 とにかく、原作に準拠した「魔界転生」となるのか、それともオリジナル展開も交えての「魔界転生」となるのか、さあ皆さん、あとたったの1ヶ月ですよ、刮目して待とうではありませんか!

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魚歌水心

 改めまして、ヘロヘロQカムパニー第25回公演「魔界転生」の感想です。

 ・物語の構成は、大部分深作版「魔界転生」に師事をとっているようでしたが、平山版「魔界転生」の台詞も幾分見受けられました。柳生衆の人数削減や、転生衆のリストラ(今回は、またしてもというべきか、柳生如雲斎でした)はやむを得ないこととしても、本作品は紛れもなく原作版「魔界転生」と新旧映画版のハイブリッド作品となっています。

 とくに第一幕の密度と興奮は尋常なレベルではなく、後ろの席から「すごーい」という声が漏れたのとほぼ同等の感想を抱きました。第一幕と第二幕のつなぎが、また舞台ならではの演出で、柳生十兵衛と柳生(自称)七人衆・娘三人と、天草四郎を筆頭とする転生衆が揃い踏みして後編の予告みたいな画を作ってくれたのは、本当に格好よかったです。

 ・主役の柳生十兵衛を演じた関さんは、「戦国BASARA」の石田三成の声のイメージが大きかったため、最初十兵衛役としては声が若すぎるのでは――と思っていたのですが、全然そんなことはなく、剣豪としての資質とユーモアとを兼ね備えた原作版柳生十兵衛の性格にうまくマッチしていたと思います。

 ・舞台の仕掛けとしては、回転するセットとスクリーンがうまく連動していて、G2版「魔界転生」で観た以上の仕掛けはなかなかできないのではないか、という不安を一掃してくれました。舟島での宮本武蔵との対決ではスポットライトを太陽光に見立てたり、また、田宮坊太郎・荒木又右衛門・天草四郎戦ではアニメーション的な殺陣を披露してくれたりで、内心「いいぞ、もっとやれ!」と叫んだくらいです(笑)。まったく、ヘロQ版「魔界転生」の本質はアニメーション的なエンタテイメントといってもいいのではないでしょうか。

 ・柳生十兵衛がクララお品の背中に筆で文字を書こうとしていた際、筆がぬけなくなって、仕方がないから指で書こう、問題ない、という流れになり、あれはアクシデントだったので咄嗟にアドリブで切り抜けたのでしょうけれど、これも生舞台の醍醐味です。

 ・ちなみに座席は14列目でだいぶ後方だったのですが、運良く花道の真横で役者さんたちが横を通り抜けるたびにワクワクしてしまいました。武蔵が間近で見れて感無量。そういえば、転生衆の衣装が皆煌びやかでもっと細部が見たかったのに、パンフレットにはその衣装をまとった写真が載っていなくて、ちょっと残念でした。まあ、DVD発売されたら買うと思うのでそん時に見直せばいいか・・・・・・。

 ・天草四郎役の浪川さんは、イタリアを微塵も感じさせぬ熱演で最後まで天草四郎を演じきってくださいました。一緒に観劇した嫁は声優さんオタではありませんが、「ヘタリア」は大好物なので、イタリアの顔がちらつかないでよかったw、と申しております。

 ・関口柔心が転生衆に屠られるシーンで、「相手は無手だぞ」、「お名前を」「宮本武蔵」の名台詞があったのは原作ファンとしても嬉しかったです。今回は前述したとおり深作版が脚本の根幹をなしている部分が多かったと思いますので、宝蔵院胤舜が柳生但馬守に斬られたり、転生衆を破る唯一の方策が村正とその息子の鍛えた妖刀だったりで、「そのまんまかよ!」とツッコミを入れたくなるときもありまして、それだからなおのこと原作準拠の台詞が出てくると、「おお!」と胸熱になっちゃうんですよねえ。

 ですから、パンフレットにも紹介されていましたが、この舞台で「魔界転生」を知ったという人、タイトルは聞いたことあるけど読んだことはない、という人には是非原作を手にとってもらいたいものです。そして、どうぞ、「エッ!?」と驚いてください。

 ・その原作は終始凄惨な物語なのですが、本作は転生衆サイドの鬼畜っぷりと柳生衆サイドのコメディパートとのバランスがよく取れていたと思います。以上、長々と書き連ねてきましたが、私の大好きな山田風太郎先生のこの「魔界転生」を、このような重厚かつ絢爛なエンタテイメント作品に仕上げてくださいましたヘロヘロQカムパニー座長の関智一氏とすべての出演者、スタッフの方々に感謝の意を表したいと思います。

 本当にありがとうございました!

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「魔界転生」ヘロQ版

 ヘロヘロQカムパニー公演「魔界転生」、昨日観てきました。

 旅先なので詳しい感想は帰ってから改めて書く予定ですが、現時点での率直な感想を書いておきます。

 実のところ、直前まであまり期待していなかった気持ちの方が大きかったのですけれど、観終わってみればその不安を覆すほどの出来栄えなのでした。一言で言うと、

 凄い! 面白かった!!

 あ、二言になっちゃった。

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子をとろ子とろ

 ヘロヘロQカムパニーさんの「魔界転生」チケット予約しました。

 出来れば土日の遅い回で・・・・・・と考えていたのですが、申し込みをしたサイトでは売り切れ状態だったので、やむをえず17日の昼の回をとることに。(;ω;)

 なにはともあれ準備は整ったので、当日を楽しみに待ちたいと思います。

 G2版やキリン食堂版とはまた違った、新しい「魔界転生」の世界が開けることを楽しみにしています。

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地獄篇第五歌

 声優の関智一さんが座長をされている「ヘロヘロQカムパニー」の第25回公演にて、山田風太郎の「魔界転生」が上演されるそうです!

 おさきさんのツイッターをフォローしていたおかげでキャッチできた情報です。

 公式HPで公開されているポスターは、全集でも風太郎作品のカバーを手がけた山本タカト氏で、妖しい感じがバリバリしていてとても素敵なものになっているのですが、一点、気になる箇所があるとすれば、十兵衛の眼帯が左にかけられているということでしょうか。

 あと、紹介文みたいなものがあるのですが――

 

天草四郎!宮本武蔵!・・・・・・そして柳生重兵衛!

江戸の世を闇と化すという、忍法「魔界転生」とは何か?

ヘロQが舞台上に描く、退廃と混沌の万華鏡!

山田風太郎原作による伝奇小説の金字塔を、平成の世で戯曲化!

 

 ・・・・・・柳生重兵衛――重、兵衛・・・・・・だと?

 誤植なの? それともこのままでいくの?

 ああ、もうどっちでもいいや。耳に聴こえる音は同じだから・・・・・・。

 嫁さんは、ヘタリアの声優さんが出演するということで釣れたので、チケットがとれたら一緒に観に行くことになりますた。

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「真・魔界転生」

 ・・・・・・・・・・・・マジか。

 昨年の「魔界転生」に続き、劇団キリン食堂さんの「真・魔界転生」が公演されるそうです!

 次の対戦相手は、真田幸村だそうで、なにやら初っ端から怪しげな臭いがプンプンしますが、ぶっちゃけ、観に行きたいです(笑)。

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「竹島御免状」②

 荒山徹著「竹島御免状」読了。以下感想です。

・荒山作品には怪獣が出てくる、という噂を聞いていたのですが、本作でその意味がわかりました

・柳生流剣士にして陰陽師という柳生友信の存在は、それ自体はヒーローの造形として面白いです。ただ、キャラクターにあまり魅力がなく、便利すぎて困ってしまうという点では、両刃の剣ともいえそう

・朝鮮妖術師側の、三つ子×3セットにも唖然としましたが、友信と典矩の子供の名前がふざけすぎ(笑)

・逆生の剣士の一人、深尾角馬がしたり顔でいう台詞、

 「この恐るべき超絶の集団を敵として、万に一つもいのちある者が、この世にあろうとは思えない」

 に、ニヤリ――でも、自分で言うな、とも思います

・十兵衛の独白、

 (紀伊大納言、加藤式部少輔・・・・・・敵対した彼らですら懐かしく思われる)

 に、「柳生忍法帖」「魔界転生」に続く、新・柳生十兵衛三部作の完結篇としての、著者の決意のようなものを感じました

・荒木又右衛門との再戦は、「魔界転生」の本歌取りを期待――まあ、ある意味ではそうではあったのですが、展開が急ぎすぎというか、もう少しページを割いてもらって読みたかった部分ではあります

・巻末の主要引用、参考文献の最後に、

 『魔界転生』 山田風太郎 角川書店

 の文字を見たときは、ほっこり、嬉しくなりました

・いろいろ可笑しな部分もありましたが、総括として、楽しく読みきることができたかな

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