書籍・雑誌

「幽女の如き怨むもの」

 そこそこの頻度で書店に出向いているのですが、今日も何か新刊が出ていないかチェックしに行ったら、三津田信三先生の刀城言耶シリーズ最新刊・「幽女の如き怨むもの」が置いてあったので、『この時期(給料日前)に買うにはちょっと高いな(1,995円)』と思いつつも、久しぶりの新作ということもあって少しテンションが上がったこともあり、とにもかくにも購入してしまいました。

 三津田信三先生の名前を思い出したのも、なんか久しぶりのような気がします(おい)。

 最近の余暇の過ごし方は、読書よりも、むしろお出掛けやゲームがメインで、本を読むにしても神道関係の本を中心に読んでいたからなあ。「ミレニアム3」以降順番に読もうと決めていた「ジェノサイド」「柳生黙示録」も積んだ状態が続いているし、神道関係で凝り固まった頭をほぐすのに良い機会かもしれないですし、一旦、神社検定に向けての準備を中断して、数冊エンタテイメント小説に埋没してみましょうかね。

 ああ、そうだ、ファイアーエムブレム・シリーズの最新作「ファイアーエムブレム 覚醒」も買ってしまったんだった――「モンスターハンター3G」にも一区切りつけて遊ばないと!

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「ミレニアム2 火と戯れる女」

 スティーグ・ラーソン著「ミレニアム2 火と戯れる女」読了。

 これを読み終えたら、最近涸れかけていた柳生十兵衛養分を補充すべく、荒山徹先生の「柳生黙示録」に取りかかるべきと考えていたのですが、話がとんでもないところで途切れて、“以下「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」で!”という按配になったので間をおかず続きを読まないわけにはいかなくなってしまいました。

 それか、スウェーデン版のDVDの2と3をようやく手に入れることができたので、先に映画のほうで観ちゃおうかな――そうなると、SW版「ミレニアム1」→原作版「ミレニアム1」→フィンチャー版「ドラゴン・タトゥーの女」→原作版「ミレニアム2」→SW版「ミレニアム2」→SW版「ミレニアム3」→原作版「ミレニアム3」→という、なんだか複雑な鑑賞順になってしまうけれど・・・・・・。

 とにかく、原作版「ミレニアム2」で散々な状況に追い込まれたリスベットの行く末が気になる事に変わりはないので、熱が冷めないうちに一気に片付けてしまいたいです。

 ところでフィンチャー版「ドラゴン・タトゥーの女」で、リスベット絡みで気にいった場面はというと、パルムグレンに「友達ができたの」と伝えるところと、ミカエルに「もっと触ってて」と言うシーンです。これらがあるから、ラストシーンはさらに哀感が増すわけで。

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「風来忍法帖」

 山田風太郎ベストコレクションにて「風来忍法帖」再読。初読は富士見文庫版だったので、通して読んだのはかれこれ20年振りくらいになります。

 改めて気付いたのですが、物語の骨格は「忍法八犬伝」と同様なるも、読後感の余韻が爽やかなの(お決まりの全滅エンドとはいえ)は、明らかに「風来忍法帖」のほうで、それは双方のヒロインのキャラクター付けによるものが大きいと私は考えます。

 なんといったって、「風来忍法帖」の麻也姫は忍法帖随一のスーパーヒロインなのです。

 萌えどころも様々で、序盤、悪源太の顔をわらじで踏みつけ、

 「畜類のような奴らゆえ、人間の心はもつまいが、人のかたちをした者には、たとえ女なりとも人の魂があると知れ」

 と冷然と言い放ったかと思えば、恐るべき忍法の使い手たる3人の風摩組に昂然と平手打ちを喰らわせた後、両手で顔をおさえ、ああん、ああん、と童女のようなあけっぱなしのくやし泣きをみせる可憐さに、香具師ならずとも心が動かされるのは当然の成り行きといえましょう――ここらあたり、「のぼうの城」における成田長親に見せる領民の親心に通じるものがあると思うのですが。

 また、ラスト近くで源太の傷ついた掌をまるでそうすることが自然であるように、じぶんのふたつのふともものあいだに、ピッタリとはさんだ】りし、片野の祖父太田三楽斎の居館で、源太と「お祖父さまとひっそりとしずかに暮らそうね」という台詞には、もう、どんな言葉も色を失い影を潜めるしかなくなるのです。

 作品の質や迫力は「魔界転生」が格上といわざるをえないでしょうが、いわゆるエンターテイメントの見本として、「風来忍法帖」は私のもっとも大好きな作品のひとつとなっています。

 ホント、ラストは何回読んでも涙腺がゆるむと思います。

 

 

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BLACK HOUSE

 貴志祐介著「黒い家」読了。

 貴志先生の代表作にして出世作でもある本作品を、映画の悪いイメージ(観てないけど)で後回しにしていたのが馬鹿馬鹿しくなるくらいの力作でした。ホラーテイストの作品は滅多に読むことはないのですが、この「黒い家」は本当に怖いくらいに面白かったです。完全映画化希望。

 貴志先生の作品数はまだそれほど出版されているわけでもないので、ここにきて読む作品がだいぶ限られてきました。「新世界より」は手頃な文庫版が出てはいるものの、長いので今はちょっと手がつけられる状況ではありませんので、映画化もされていない「天使の囀り」にとっかかってみようかな、と考えています。

 その前に、スティーグ・ラーソン著「ミレニアム」シリーズを全読破する予定でもありますが。

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第2回山田風太郎賞

 角川書店主催の第2回山田風太郎賞には、高野和明氏の「ジェノサイド」(角川書店)が選ばれたとか。

 後出しみたいですが、「ジェノサイド」が受賞しそう、みたいな予感はしていました。まあ、候補作の中では受賞作のみがやたら目についていたような印象からですけれど。

 今回はとりあえず選考委員の先生方の受賞理由などを参考にして、帯に“第2回山田風太郎賞受賞!”の文字が躍るようになったら、手を出してみたいと考えています。これで来年の風々忌の講演会の先生が決まったに等しいので、遅かれ早かれ読むことになるんですけどね。

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「鍵のかかった部屋」

 貴志祐介著「鍵のかかった部屋」「狐火の家」読了。

 刊行順は「狐火の家」→「鍵のかかった部屋」ですが、「狐火の家」が文庫化されたのが「鍵のかかった部屋」の後だったので、買った順番に読みました。順番が前後しても問題なかろうと考えたせいもありますが、やっぱりシリーズ物は発表順に読むのが至当ということを再確認することに。

 『鍵のかかった部屋』

・佇む男

 トリックがちょっと苦しいかな、と思いました。

・鍵のかかった部屋

 表題作なだけに出来は作中随一。2時間くらいのドラマで観てみたい一作。

・歪んだ箱

 トリックのためだけに作られたような密室。

・密室劇場

 貴志先生の内部のあらゆるものが弛緩して生み出されたかのようなお話。「世にも奇妙な物語」あたりで映像化してほしい。

 『狐火の家』

・狐火の家

 二つの密室。このシリーズは密室の可能性をひとつづつ取り除いていく過程が面白いです。

・黒い牙

 コメディ。

・盤端の迷宮

 先生の取材魔ぶりが垣間見えます。

・犬のみぞ知る Dog knows

 「密室劇場」に輪をかけて、貴志先生の内部のあらゆるものが弛緩して生み出されたかのようなお話。「世にも奇妙な物語」あたりで映像化しなくてもよい。

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山田風太郎の稀少本

 先日、通勤中にふとした思いでラジオをつけたら(普段はあまり聞かない)、神保町の古書店の紹介をしていまして、インタビュアーの「このお店で一番貴重な本はなんですか?」という質問に対して、女性の店主さんが「山田風太郎さんの“新かぐや姫”で、5万円です」と答えてらっしゃいました。

 山田風太郎の本でプレミアがついているのは「忍法相伝’73」だけだとばかり思っていたので、この返答と金額には正直驚愕しました。「忍法相伝’73」だって、1万5千円~2万円くらいのものなのに、5万円って何事ですかと。

 で、ちょっとネットで検索してみたら、この「新かぐや姫」、5万円が最高値だと決め付けていたらとんでもない、店によってまちまちですが、最高10万円までつけているところがあって、ますます何事ですか、です。

 表題作はまだ私も未読なのですが、光文社の山田風太郎傑作選にも収録されているところを考えると(家にあるけど未確認です)、作品自体が封印されている様子もないのでますます不思議なのです。いったい、どんな理由からのこの金額で、またこの金額を上回る山田先生のプレミア本は、他に存在するのでしょうか?

 「新かぐや姫」、興味はあるけど、さすがに5万は出せません(泣)。

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「密室殺人ゲーム・マニアックス」

 歌野晶午著「密室殺人ゲーム・マニアックス」読了。

 店頭に平積みされているのを目にした瞬間、「おお! もう出たんだ、コレ。読みたかったんだよなあ!」と勢い込んで手に取ったものの、意外なほどの薄さに、思わず「薄い・・・・・・」とそのままの感想を漏らしてしまった本作は、「密室殺人ゲーム」シリーズの第三作目でありながら、外伝的要素に満たされた内容となっています。

 ――正直なところ、「密室殺人ゲーム 王手飛車取り」「密室殺人ゲーム2.0」に比べると、今回は物語のプロットも、肝心のトリック自体も切れが悪いように感じました。

 いずれ発表されるであろう完結篇に、心から期待したいと思います。

 

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「硝子のハンマー」

 7月24日の第8回風々忌で予定されている、貴志祐介先生の講演会に先駆けて、もう一作くらいは先生の作品を読んでおこうと思い立ち、優先順位の候補の中から「硝子のハンマー」を選択しました。

 これまでに読んだ、「クリムゾンの迷宮」「悪の教典」「ダークゾーン」の3作品とは性質が異なる本格的な推理小説で、分量も相当なものです。目次で2部構成になっていることから、同じ主人公の異なる事件簿が収録されているのかと思いきや、たとえが古くて恐縮ですが、シャーロック・ホームズの長編「恐怖の谷」と似たような構成になっていました。

 巻末のインタビューを読むと、トリックありきの物語だったようです。そのトリックが凄すぎて、ある意味では唖然とするのですが、推理小説としてみると、あまり「してやられた」感はなかった、というのが正直な感想となります。探偵役の榎本のキャラは造形としては面白く、弁護士の青砥とのコンビでシリーズ化されてもおかしくないようなキャラ立ちをしていますが、本業を生かしたあの特技は、なんとなくフェアではないような気も・・・・・・まあ、先に引き合いに出したシャーロック・ホームズも、正義のためなら多少の違法も厭わないというキャラクターでしたね。

 読み終えてから表紙を見直したら、タイトル同様、作品の核心に迫っているイラストで、ああなるほど、と思いました。

 さて、来週の山田風太郎記念館での講演会では、先生の著書も販売されサインもしていただける機会があるに違いなく、どの本を買おうか迷っているところです。本当は山田風太郎賞を受賞した「悪の教典」がベストなのですが、持参するにはあまりにも嵩張るし、かといって当日同じ本を買うほどの余裕もなので、第一候補はまだ未読の「天使の囀り」か「青の炎」あたりでしょうか。

 あと「硝子のハンマー」には、偶然とはいえ、自分に縁のある苗字の組み合わせが出てきたので、こちらはちょっと持参して、会場でも本を買ったうえでサインをお願いしたい、と考えています。

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「誰にも出来る殺人」

 山田風太郎の推理ものの代表作のひとつである、「誰にも出来る殺人」を、今更ながら初めて読みました。

 独立した物語を通して読むとひとつの長編としての構造が浮かび上がる、という構成は山田風太郎の得意とするところで、本作品にもその手法がとられています。もともと先生の推理ものは個人的にはあまり熱中して読んだ記憶がないのですが、なぜ今までこれを読まなかったのか、というくらいの傑作でした(作品としては「夜よりほかに聴くものもなし」のほうが好みです。どちらでもいいから、連ドラで観てみたいですね)。

 このまま光文社文庫の【山田風太郎ミステリ傑作選】を読み継ごうかとも考えましたが、せっかく「旅人 国定龍次」が出たばかりなので、そちらを読みたいと思います。ああ、そうそう、「山風短」の次回作「忍者枯葉塔九郎」も復習しとかないとね。

 来月は、【山田風太郎賞】第一回受賞作品「悪の教典」の作者、貴志祐介氏の講演を拝聴するため、初めての風々忌に参加する予定です。最近「マクロスF」にうつつをぬかしていましたが(でもまだまだ大好きです)、山田風太郎先生の話題があるのが一番嬉しい私です。「くの一忍法帖」シリーズの新作映画は、ちとアレな感じですが・・・・・・「忍法里帰り」には嫁とともに驚愕。w

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