「竹島御免状」①
荒山徹著「竹島御免状」を読み始める。
――噂には聞いていましたが、山田風太郎先生の「魔界転生」を、”歴史的にあった”事として荒山ワールドに取り込んでしまうというアクロバティックな行為に、まず驚嘆せざるをえません。
たぶん、荒山先生は、風太郎ワールドでの十兵衛の最期を描いた「柳生十兵衛死す」がお気に召さなかったに違いなく(そもそも「十兵衛死す」は、「柳生忍法帖」~「魔界転生」に繋がる柳生十兵衛三部作の完結篇という扱い方をされてはいますが、主人公十兵衛の性格や設定に前二作との脈絡がなく、まったく別世界の出来事として見たほうがよい)、それならばいっそ自分が、「十兵衛死す」以上に相応しい、”本当の”柳生十兵衛の最期を書いてやろう、という気持ちで筆を執ったのだろうと想像してしまうのです。
それは、非常に興味のある話でもあり、また、ある種不安を掻き立てられずにはいられない話でもあります。不安とは、いくら「魔界転生」の後日譚と謳ったところで、鎌倉東慶寺の一件を持ち上げている以上(「柳生忍法帖」にあらず、「柳生薔薇剣」での一件)、あくまでも荒山ワールドでの延長とみなさなければいけないからです。
まあ、まだ最初の数章を読んだばかりなので、本当に本作で柳生十兵衛が死ぬのかどうかすら、今の時点では判然としないのですが・・・・・・この先明らかにされるであろう、さる藩内で繰り広げられる幻闘と、二度目の荒木又右衛門との対決の帰趨がどうなるのか、「魔界転生」を愛読する者として、注目していきたいと思います。
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