書籍・雑誌

「人間万事嘘ばっかり」

 筑摩書房の山田風太郎エッセイ集成の最終巻(?)「人間万事嘘ばっかり」を購入。

 もともと角川文庫のベストコレクションの入荷を見計らって本屋に行ったのだけれど、思いがけず発見して、優先して買うことにしました。

 角川のほうは、表紙も新しくなって、いろんなジャンルの風太郎作品を網羅した新シリーズという意味合いで、重複を前提に購入を考えていたものですが、解説部分がもう一声! という内容だったため、今回は見送ることに(せめて、帯に名前のあった綾辻行人氏や、冲方丁氏の解説が、新規で収録されていたらなあ、とちょっと残念に思います)。

 自分は見落としましたが、なかに今後の刊行予定が載ったチラシが折り込まれていたとかで、「忍びの卍」なんかがあったようです。これは、もう一度確認して、集めなければいけないかも(笑)。

 明治小説全集の復刊もあって、山田風太郎の話題は今年もつきそうにありません。

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「密室の如き籠るもの」

 三津田信三著「密室の如き籠るもの」読了。

 表題作ほか、刀城言耶が登場する短編が、4編収められています。主人公が事件の現場に居合わせて推理するものと、依頼者からの話を聞きながら、事件現場以外の場所で推理するものとの、ふたつに分かれた状況を楽しむことができるのですが、どーも現場に居ない刀城言耶は魅力半減のような気がします。

 4作の中では、表題の「密室の如き籠るもの」が頭3つほど突き抜けていて面白かったです。直前に読んだ「凶鳥の如き忌むもの」と比べても、似たような流れを持った作品同士、という点で「密室の如き籠るもの」の方が完成度が高いと思いました。

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「東京南町奉行」

 「凶鳥の如き忌むもの」読了。

 このパターンは初めてだわ、と本来なら十二分なやられた感を味わえた作品だったと考えるのですが、思いのほか密度が薄く、描写も不十分で、もっと怖い思いをしたかった・・・・・・という欲求はぬぐえず。会話が多く、さほど集中力を必要とされないため、刀城言耶シリーズの入門書としては最適かもしれません。

 角川文庫「鹿島茂が語る山田風太郎」収録の、「東京南町奉行」を十数年かぶりに再読。これはタイトルだけで映像化したい一本である(笑)。関連ある人物も登場するので、大河は「龍馬伝」のあとにこの作品をドラマ化したらいいのに。

 そういえば、せがわ先生のHPで、おさきさんが「山風短」次回作のヒントを出しておられますね。大坂城の模型(ペーパークラフト?)なので、豊臣が絡む話であることは間違いがなさそうなのですが、もうひとつ、九州のとあるお城もつくるとか――それが熊本城だとしたら、もしかして「幻妖桐の葉落とし」? ほかになんかあったっけかなあ・・・・・・まあ、なんにせよ、渋いセレクトになりそうです。

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「凶鳥の如き忌むもの」

 「厭魅の如き憑くもの」「首無の如き祟るもの」に続く、三津田信三氏の”刀城言耶シリーズ”の文庫化をとても待ちきれそうになくなってきたので、現行で出版されている書籍でいくつか買い求めることにしました。

 原書房のミステリーリーグは、「水魑の如き沈むもの」まで読めるとはいえ、値段のことを考えると、少し負担が高くなるため、講談社ノベルスで・・・・・・と考えて書店に向かったのですが、「凶鳥の如き忌むもの」と「密室の如き籠るもの」の2作品しか刊行されていないようだという事情と、原書房の「凶鳥の如き忌むもの」には、書き下ろし短編の「天魔の如き跳ぶもの」が収録されているというのが決め手となって、講談社ノベルスで「密室の如き籠るもの」を、原書房で「凶鳥の如き忌むもの」を購入することにしました。

 おそらく、今後の展開としてミステリーリーグの残る2冊もいずれ購入することになるかと思います――けっこう、嵌っちゃったな、という感じで自分でも意外です(笑)。まあ、当然面白いから続きを読みたくなっているのだし、主人公の心のつぶやきにさえ目をつぶれば、自分好みの文章や世界観であることに変わりはないのですけれど。

 いま、ようやっと「凶鳥の如き忌むもの」の折り返し地点に差し掛かっています。にしても、これって”刀城言耶シリーズ”のれっきとした第二長編なのね・・・・・・文庫の「首無の如き祟るもの」が第2弾となっていたものだから、てっきり「凶鳥の如き忌むもの」は第三長編かと思ってました。「首無の如き祟るもの」が先に文庫化されたのは、ミステリーリーグで書き下ろし短編が追加されたせい、なのでしょうか。

 それはさておき、この物語も怪異と現実の融合が興味深く、どんな結末が待ち受けているものか、ついつい先を急いでしまうペースで読んでいるという次第です。

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「首無の如き祟るもの」

 三津田信三著「首無の如き祟るもの」読了。

 文庫の帯に、”刀城言耶”シリーズ第二弾にして最高傑作! とか謳っているから「おいおい、本当か・・・・・・」と、半ば疑念を抱きつつ読んだのですが、そんな諸々の懸念を十分に吹き飛ばしてくれる内容で、満足する読後感を得ることが出来ました。

 ノベルスと違って文庫版には、事件が発生する村や、犯行現場の見取り図が挿入されているそうなのですが、今回は不可思議な構造を持つ【栄螺塔(さざえとう)】が、昨年福島を旅行したときに見た【栄螺堂】とそっくり同じ構造をもつ建物だということで、文章だけで想像するよりは、遥かなリアリティをもってイメージをつかむことができたため、多少評価のポイントが上がっております。

 ただ、ホラー度は前作の「厭魅の如き憑くもの」の方が、いくばくか上だったような気がしますが。

 この本を読む前に、第10回本格ミステリ大賞を歌野晶午氏とともに受賞されたという記事を読み、「首無の如き祟るもの」を読み終えたいま、これ以上のものがまだあるのか! という期待に大きく胸を躍らせているような状態ですが、とても文庫化まで待てないので、いっそのこと、残りのシリーズ全部そろえちゃおうかしら・・・・・。

 

 

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「天地明察」

 冲方 丁氏の「天地明察」を購入しました。

 2010年本屋大賞第一位なので・・・・・・というわけでもないのですが、チラ読みしたら文章が自分好みだったので、思い切って買ってみようか、という気になったのです。冲方氏は前から気になっていましたしね。

 一緒に「日本神さま辞典」を購入したので、まだ手を付けていない状態ですが――「古事記」関連が一段落したら、取り掛かるつもりでいます。

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「密室殺人ゲーム 2.0」

 歌野晶午著「密室殺人ゲーム 2.0」読了。毎度のことだけど、ミステリものって感想書きづらいな。

 前作ほどの衝撃はうけなかったものの、「お? お?」と思うところが随所に見られ、さすが歌野晶午、という仕事っぷりでした。3作目がある、という話をどこかで読んだ気がするので、いくつかすっきりしない点も踏まえて、続編の刊行を心待ちにすることにします。

 さて、次はなにに手を出そうかな、と考えていたものですが、ふと思い立って「古事記」をネット通販で注文してしまいました。一昨昨日、諏訪に出かけたことで、ちょっと興味が湧いてきたものです。

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「竹島御免状」②

 荒山徹著「竹島御免状」読了。以下感想です。

・荒山作品には怪獣が出てくる、という噂を聞いていたのですが、本作でその意味がわかりました

・柳生流剣士にして陰陽師という柳生友信の存在は、それ自体はヒーローの造形として面白いです。ただ、キャラクターにあまり魅力がなく、便利すぎて困ってしまうという点では、両刃の剣ともいえそう

・朝鮮妖術師側の、三つ子×3セットにも唖然としましたが、友信と典矩の子供の名前がふざけすぎ(笑)

・逆生の剣士の一人、深尾角馬がしたり顔でいう台詞、

 「この恐るべき超絶の集団を敵として、万に一つもいのちある者が、この世にあろうとは思えない」

 に、ニヤリ――でも、自分で言うな、とも思います

・十兵衛の独白、

 (紀伊大納言、加藤式部少輔・・・・・・敵対した彼らですら懐かしく思われる)

 に、「柳生忍法帖」「魔界転生」に続く、新・柳生十兵衛三部作の完結篇としての、著者の決意のようなものを感じました

・荒木又右衛門との再戦は、「魔界転生」の本歌取りを期待――まあ、ある意味ではそうではあったのですが、展開が急ぎすぎというか、もう少しページを割いてもらって読みたかった部分ではあります

・巻末の主要引用、参考文献の最後に、

 『魔界転生』 山田風太郎 角川書店

 の文字を見たときは、ほっこり、嬉しくなりました

・いろいろ可笑しな部分もありましたが、総括として、楽しく読みきることができたかな

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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

 普段なら立ち読みすら敬遠するような内容の本ですが、縁があって読むことになりました。

 経営学の父と呼ばれるピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を、とある高校野球のチームをひとつの企業に見立てて、ライトノベル調に仕上げ分かりやすく解説した物語です。事前にかなり都合がいいストーリーとは聞かされていましたが、ご都合主義でもいいじゃない、ちょっと感動できて、経営学にも足を半歩踏み込むことができたような気分になれた本でした。

 本日は他に池波正太郎先生絡みの書籍を2冊購入。『食べ物日記』と『池波正太郎が通った〔店〕』です。『食べ物日記』では、静岡を訪れた際のエッセーが興味深く、『池波正太郎が通った〔店〕』を読んでは、改めて上田市「刀屋」の〔もり〕を食べてみたい欲求に駆られます。

 昨年上田城を訪れたときは、まさかの定休日だったからなあ・・・。

 先日の、「とんねるずのみなさんのおかげでしたSP」でも紹介されていた「餃子荘ムロ」も載っていて、そういえば色紙があったっけ、と思い出しました。味については格別というわけではなかったようですが・・・まあ、これは筆者の好みもありますからね。

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「竹島御免状」①

 荒山徹著「竹島御免状」を読み始める。

 ――噂には聞いていましたが、山田風太郎先生の「魔界転生」を、”歴史的にあった”事として荒山ワールドに取り込んでしまうというアクロバティックな行為に、まず驚嘆せざるをえません。

 たぶん、荒山先生は、風太郎ワールドでの十兵衛の最期を描いた「柳生十兵衛死す」がお気に召さなかったに違いなく(そもそも「十兵衛死す」は、「柳生忍法帖」~「魔界転生」に繋がる柳生十兵衛三部作の完結篇という扱い方をされてはいますが、主人公十兵衛の性格や設定に前二作との脈絡がなく、まったく別世界の出来事として見たほうがよい)、それならばいっそ自分が、「十兵衛死す」以上に相応しい、”本当の”柳生十兵衛の最期を書いてやろう、という気持ちで筆を執ったのだろうと想像してしまうのです。

 それは、非常に興味のある話でもあり、また、ある種不安を掻き立てられずにはいられない話でもあります。不安とは、いくら「魔界転生」の後日譚と謳ったところで、鎌倉東慶寺の一件を持ち上げている以上(「柳生忍法帖」にあらず、「柳生薔薇剣」での一件)、あくまでも荒山ワールドでの延長とみなさなければいけないからです。

 まあ、まだ最初の数章を読んだばかりなので、本当に本作で柳生十兵衛が死ぬのかどうかすら、今の時点では判然としないのですが・・・・・・この先明らかにされるであろう、さる藩内で繰り広げられる幻闘と、二度目の荒木又右衛門との対決の帰趨がどうなるのか、「魔界転生」を愛読する者として、注目していきたいと思います。

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