山田風太郎

あかいくらやみ

 更新がすっかり滞っていました。「宇宙戦艦ヤマト2199」のコンサートに行ったり、何本か映画を観たり、神社にも参拝したりして、書くことはそれなりにあったのですが。せがわ先生のコミカライズ「魔界転生」だって、早4話ですよ・・・・・・(もうすぐ5話!)。

 ここに来て、山田風太郎関係の新しい情報が公開されたので、メモ代わりに更新。

 【長塚圭史の新作『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』が、13年5月にBunkamuraシアターコクーンにて上演される】

 06年の『桜飛沫』以来、7年ぶりの同劇場登場となる長塚が、今回原作とするのは、鬼才・山田風太郎の歴史小説「魔群の通過」。維新前夜、水戸藩での内戦に敗れ、尊皇攘夷の志を胸に京へ向けて苦難に満ちた大遠征を敢行した「天狗党」の悲劇的な顛末をつづった力作だ。

 本作では、天狗党の残党による復讐集団「さいみ党」を焦点を当て、目的も志も見失い、復讐の鬼と化してもなお、正義を見つけようとする人びとの姿を描く。

 数奇な運命を背負い、報復の悪夢にのみ込まれていく青年を演じるのは、長塚と初顔合わせとなる小栗旬。このほか、小日向文世、白石加代子、小野武彦、原田夏希など、実力派・個性派たちが豪華に集結する。

 おお! 山田風太郎原作小説の久しぶりの舞台化です! しかも原作は「魔群の通過 天狗党叙事詩」。しぶいチョイスです。原作は私も大好き。かねがね、山田風太郎と舞台は相性が良いと思っていたので、これは是非とも観に行きたいですね~。

 そういえば、天狗党って、うちの奥さんの実家の在る焼津にも直接的ではないですが、ちょっと縁があったりしてたみたいです。

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“山田風太郎の会”静岡支部

 今年の【風太郎祭】のテーマは、「風太郎作品と映像」ということで落ち着いたようで、“第2回山田風太郎賞”受賞者の高野和明氏の記念講演が実現に至らなかったとはいえ、【風太郎祭】自体は例年通り実施される事になったのは極めて喜ばしい限りなのですが――。

 今年は別に予定が入っているため、参加を断念せざるを得ない状況となりました。

 今回は高野氏へのインタビュー映像の他に、TBSドラマ「娘たちの復讐・日本国憲法殺人事件(原作・夜よりほかに聴くものもなし)」の特別上映なんて、レアすぎて、今後お目にかかる機会があるかどうかわからない、という貴重な回でもあるのに、嗚呼、なんてこったい!

 関宮は遠すぎて、なかなか行くこともできない、という山田風太郎フリークのためにこういったイベントは関東の方でもやってもらえると有難いのですが、それならばいっそ、“山田風太郎の会”の支部を立ち上げてもらえたらどうか、とも思うのですがどんなもんですかねえ。なんか、東京には支部があるみたいな話もどこかで見たような気もするのですが、それならばそういった支部の活動も活性化させたり、情報を流してもらいたいと思うのです・・・・・・(実際はないのかもしれませんが)。

 いや、それならばいっそ、我が地元にも支部を立ち上げてみたらどうだろうか! そもそも静岡県民で“山田風太郎の会”の会員に現在なっておる方がそんなにいるとも思えませんが、そういう方々――同志と呼ばせていただこう――は、静岡に支部があったら、色々と独自の活動が出来るとは思いませんか? 風太郎作品ゆかりの地には事欠かない土地でもありますし、うーん、本気で考えたくなってきました。  

 

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山田風太郎記念館 2012・夏

 今年は“山田風太郎賞”受賞者の講演の予定もなく、“第9回風々忌”にも日程を合わせることが出来ませんでしたが、毎年の慣例として【山田風太郎記念館】に行ってきました。

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 今年度の会費を払うことも目的のひとつでしたが、神戸で開催される「風太郎生誕90年記念回顧展」の会場にて、せがわ先生の最新作「十 忍法魔界転生」のポスターが張り出されているという情報を得て、それを拝みに行こう、というのも今回の目的ではありました。

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 で、記念館でそのポスターを発見。やべえ、「風太郎生誕90年記念回顧展」に行く理由が無くなったw

 サイズが想像していたものよりも一回り大きくて、立派なポスターです。出来れば一部欲しいなーと思いつつ、展示室を一巡りし会費の納入を済ませて記念館を後にしました。

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 翌日、なんだかんだで時間が取れたので、神戸アートホールへ。展示物の大部分は【山田風太郎記念館】から提供されたもののようでしたが、「天国荘奇譚」のモデルとなった学生寮の写真などが見れてよかったです(何かの本に掲載されていたものかな?)。

 せがわ先生関連では上記のポスターの他に、あまり出来のよろしくない「バジリスク」のフィギュアが展示されていました。なにゆえw

 あと、菅原文太主演の舞台「旅人 国定龍次」のポスターがあって、この作品の舞台化を初めて知ってびっくりしたり。舞台でも、映画でも、アニメでもいいから、また、動く山田風太郎作品が観たいですねえ。

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風々忌 2012

 ここ1~2ヶ月風太郎先生の書籍ラッシュで嬉しいです。ただ、けっこう値段が張るものが多いので、お財布の中身の消耗が激しいのが所帯持ちには辛いところ・・・・・・といって購入の見送りだけは絶対にしないけどw

 そういえば、今年もあとわずかで先生の命日が巡ってまいります。

 記念館のHPをチェックしてみると、“風々忌”は例年通り執り行われるようですが、昨年同じタイミングでやった【山田風太郎賞受賞者】の講演会は、今回はないようですな(これ書いてて「ジェノサイド」未読なのを想い出したw)。

 一昨年以前のように、“風太郎祭”と称して、秋頃に改めて予定されるのでしょうか?

 今回の“風々忌”には参加できませんが、近々鳥取に行く用事をつくったので、その途上で記念館を訪問して事情を伺ってこようかと考えています。本音をいうと、受賞者のお話も良いけれど、選考員のお話の方がもっと興味があったりするのですが。

 

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別冊「太陽」

 山田風太郎記念館のHPでも案内されていましたが、7月発売の別冊「太陽」において『山田風太郎』特集が組まれるとか。

 久しぶりの資料的な書籍の出版で、内容がどうなるのか今からとても気になる所です。以前に出たムックの、「幻燈辻馬車」脚本収録もよかったですけれど、ストーリーボードみたいなのがあるなら、そのあたりも是非載せてほしいなあ。

 ――それにしても、あれって、いまからでも映画にならんものですかねえ(個人的には「ラスプーチンがきた」あたりが、2時間ものの映画でまだまだいけるんではないかと思っていますが)。

 7月には、他に神戸で「風太郎生誕90年記念回顧展」があったりするようなので、定例の“風々忌”とセットで足を運んでおきたいところでもありますね。最近は神社巡りにもどっぷり浸かっているので、風太郎関連のイベントを絡めつつ、色んなコースを考えてみるのも面白そうです。

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「柳生忍法帖」

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 山田風太郎ベストコレクション「柳生忍法帖」上・下巻を購入。

 貴志祐介先生による帯の推薦文には激しく同意。

 今回は、上巻末に“連載前の内外タイムス《著者インタビュー》”、下巻末に“《対談》「忍法帖」十二年”が収録されており、どちらも新規の資料としてとても興味深く、貴重なものとなっています(ベストセレクションの刊行はもう残りわずかのはずですが、以後もこういった資料が収録されるとファンとしては購入する意欲が増しますね)。

 特に、上巻末の“連載前の内外タイムス《著者インタビュー》”での、

 【池波(正太郎)の“夜の戦士”が忍者を扱っているから、忍者を登場させないでくれっていう注文がイタかったな】

 という風太郎先生の述懐には度肝を抜かれる想いがします。山田風太郎に忍者を書くなって、どういう了見だw 

 ホントかどうかわかりませんが、なんか惚けた感じでちょっと笑っちゃいました。

 でも、これがきっかけで「柳生忍法帖」が書かれたって考えると、この注文を出した編集者(?)はエライ。

 「柳生忍法帖」も、初読から20年以上経っていますが、当時に受けた衝撃はまだまだ強く心に残っていて、今後もこの作品以上に思いいれのある小説はなかなか出てきそうにありません(最近だと、「ミレニアム」は結構気に入った部類に入りました)。

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「風来忍法帖」

 山田風太郎ベストコレクションにて「風来忍法帖」再読。初読は富士見文庫版だったので、通して読んだのはかれこれ20年振りくらいになります。

 改めて気付いたのですが、物語の骨格は「忍法八犬伝」と同様なるも、読後感の余韻が爽やかなの(お決まりの全滅エンドとはいえ)は、明らかに「風来忍法帖」のほうで、それは双方のヒロインのキャラクター付けによるものが大きいと私は考えます。

 なんといったって、「風来忍法帖」の麻也姫は忍法帖随一のスーパーヒロインなのです。

 萌えどころも様々で、序盤、悪源太の顔をわらじで踏みつけ、

 「畜類のような奴らゆえ、人間の心はもつまいが、人のかたちをした者には、たとえ女なりとも人の魂があると知れ」

 と冷然と言い放ったかと思えば、恐るべき忍法の使い手たる3人の風摩組に昂然と平手打ちを喰らわせた後、両手で顔をおさえ、ああん、ああん、と童女のようなあけっぱなしのくやし泣きをみせる可憐さに、香具師ならずとも心が動かされるのは当然の成り行きといえましょう――ここらあたり、「のぼうの城」における成田長親に見せる領民の親心に通じるものがあると思うのですが。

 また、ラスト近くで源太の傷ついた掌をまるでそうすることが自然であるように、じぶんのふたつのふともものあいだに、ピッタリとはさんだ】りし、片野の祖父太田三楽斎の居館で、源太と「お祖父さまとひっそりとしずかに暮らそうね」という台詞には、もう、どんな言葉も色を失い影を潜めるしかなくなるのです。

 作品の質や迫力は「魔界転生」が格上といわざるをえないでしょうが、いわゆるエンターテイメントの見本として、「風来忍法帖」は私のもっとも大好きな作品のひとつとなっています。

 ホント、ラストは何回読んでも涙腺がゆるむと思います。

 

 

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「山田風太郎全仕事」

 角川書店編集部編「山田風太郎全仕事」を本屋の店頭で見つけたので買ってきました。2007年に一迅社より刊行された「幻妖 山田風太郎全仕事」を再構成したものだとか。

 ぱらぱらめくってみると、記載されている作品の9割方は所持しているように思います。

 「人間臨終図鑑」とともに手元にあると便利な本ですが、欲をいえば、せっかくの角川書店版なので再構成にあたって“山田風太郎ベストコレクション”の帯の推薦文の詳細版を追加してもらいたかったところです(そんなものはないのでしょうが、要するにちゃんとした推薦文が読みたいわけで)。

 そういえば、「ジェノサイド」の帯に“第2回山田風太郎賞受賞”と謳ったものをまったく見かけませんねえ――角川書店刊行なので控えめにしているのか、思ったより箔が付かないのでそのままなのか。どっちにしても早く読みたいのでつけてください。

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ミステリー文学資料館『没後10年山田風太郎再臨展』

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 メーカーの商談で東京に行く用事があったので、これ幸いとばかりに、池袋のミステリー文学資料館で開催されている『没後10年山田風太郎再臨展』を覗いてきました。

 展示物や写真の半数近くは、養父市の山田風太郎記念館で見たことがあるものでしたが、初見の資料も展示してあり、興味深く見学させていただきました。ボリュームは少なめとはいえ、こういう企画展が関東で催されるのはとてもよいことです。記念館に毎年足を運ぶ楽しみも健在ですけれど、気軽に足を運べる圏内にもこういった企画展をもっと増やして欲しいところ・・・・・・ということで、先生の終の棲家となった八王子に関東の記念館を作っていただけないものでしょうかね?

 そういえば、【山風短】も本日発売の第四幕「忍者枯葉塔九郎」最終話をもって最終回となってしまいました。毎回次のチョイスが楽しみだっただけに、なんか残念です。もっといろんなカテゴリでせがわまさき画の山田風太郎世界を見たかったなあ。

 新連載の準備に入るそうで、しばらく月刊ヤンマガを買わないで済むのは正直助かるのですが、次回作がどんなものであれ、せがわ先生の新作を心待ちにしたいと思います。

 そして、いつかそのときが来たら、ぜひぜひせがわまさき版「魔界転生」を読ませてください!

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第2回山田風太郎賞

 角川書店主催の第2回山田風太郎賞には、高野和明氏の「ジェノサイド」(角川書店)が選ばれたとか。

 後出しみたいですが、「ジェノサイド」が受賞しそう、みたいな予感はしていました。まあ、候補作の中では受賞作のみがやたら目についていたような印象からですけれど。

 今回はとりあえず選考委員の先生方の受賞理由などを参考にして、帯に“第2回山田風太郎賞受賞!”の文字が躍るようになったら、手を出してみたいと考えています。これで来年の風々忌の講演会の先生が決まったに等しいので、遅かれ早かれ読むことになるんですけどね。

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