山田風太郎

灰燼の中から

 「忍法剣士伝」が気になったので、掲載誌のコミック乱TWINSを買ってみました。

 第一話を読むに、だいぶ原作に忠実な流れになっているようで(石川賢先生の「柳生十兵衛死す」も、一話目はほぼ原作通りでしたが・・・あれほど崩れる心配はないでしょう)、印象はまず悪くありません。登場人物のしまりのない口元と、果心居士の普通のおっさんっぷりが多少気にはなりますが、北畠具教の居城で12名の剣士を紹介するくだりなど、まだ名前は伏せられているものの、剣あるいは木刀を握る手(もしくは剣そのもの)が、漫画的なカット割で描かれていて、今後の登場に期待を持たせてくれる場面もあります。

 このままのペースで話が進むとすると、結構な長期連載になりそうな様子なのですが、問題はこれが月刊誌ということと、作風自体に強力な吸引力がないせいで、油断したら見逃してしまいそうな回が出てきそうなことです(単行本化されても、まず買いそうにないので頑張って連載を追いかけていくしかないなあ・・・)。次号から新連載の第二弾として、「舫鬼九郎」が始まるのですが、こちらには柳生十兵衛が出てくるので、そっちにもちょっと気が惹かれます。

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「忍法剣士伝」

 8/14発売の「コミック乱TWINS 8月号」から、「忍法剣士伝」の連載が始まるとかで、画像を探してみたところ―――むう、これはちょっと・・・どうなんだろうか?

 「忍法剣士伝」は、12人の大剣士が登場するも、史実に逆らっておいそれと殺したりはできないため、終盤まで同じパターンが続くのが難儀と言えば難儀な設定ですが、それだけに映像(=漫画)化など到底出来そうも無い作品だと思っていたので、今回の試みにはむしろ拍手を送りたいところなのですが、思い描いていたイメージの違いを如何せん、といったところです。

 まあ、とりあえず読んでみなければ始まらないので、12人の剣士軍はもとより、旗姫や果心居士がどんなデザインになっているのか、怖いもの見たさの気分で待つことにしましょうか(・・・「忍法剣士伝」好きなのに)。

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チーズの肉トロの逆襲

Cimg1666 以前の出来に満足いかなかったのか、彼女が再びチーズの肉トロに挑戦!

 前回、バラ肉を使用したのを、今回はモモ肉に変え、中に巻くチーズの量を半分にしたところ、中身がだらしなく隙間からあふれる事も無く、良い加減に焼きあがりました。

 味は、牛肉とチーズの組み合わせという基本は同じなのですが、バラ肉を使ったときよりもまとまりがあって、美味しく感じられました(チーズの量を減らしたのも大きかったかもしれません)。ビールをお供に食べてしまったので、次回はウイスキーをちびちびやりたいな。

 でも、カロリーが高そうなので、チーズの肉トロは月に一回までと決められました。(´・ω・)

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風々忌

・第五回風々忌は、7月27日(日)東京・八王子の上川霊園(風太郎さんの墓前)で行われます。会員の中に墓参を希望される声があり、また関東の会員諸氏との交流も考えて、今回はこういう形で行うことになりました。詳細についてはまた後日お知らせします。

 【山田風太郎記念館】のHPのトップに、上記のような第五回風々忌の案内が掲載されているのですが、詳細がなかなか更新されませんね~。時間の都合がつけば行ってみたいところなのですが、気になるのは、会員しか参加資格がないのだろうか、ということです。

 そもそも会員ってなんだろうって、調べてみたら、

・ 養父郡関宮町出身の作家、故山田風太郎さんを顕彰する「山田風太郎の会」(小谷稔会長)は、全国から会員の募集を始めた。四月一日、同町関宮に「山田風太郎記念館」がオープンするのに合わせ、風太郎ファンを募る。会報の発行などを計画している。 

 同会は〇〇年九月、町民有志らで結成。目標としてきた記念館は同町が建設した。創作ノートなどゆかりの品千三百点を順次展示、映画やインタビューのビデオ放映も行う予定。同会は町からの委託で記念館を運営する。会費は正会員で年二千円。

 (2003年の記事ですが)年会費が二千円だったら安いものですし、会報がもらえるのだったら、ますますもって入会してみたいものです。HPに会員案内のページが見つからないので、メールで問い合わせてみるしかないのかなあ?

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チーズの肉トロ?

Cimg1662  

 乏しい資料と、粗い画質の写真をもとに、彼女に作ってもらいました。

 チーズを肉で巻く作業が意外と難しく、参考にした写真と比べると、ビミョーな感じに。味は美味しかったのですが、奥さんが先生に作って差し上げていた本家「チーズの肉トロ」の、ちゃんとしたレシピが欲しいところです。・・・どこかの本に、掲載されたことないですかね?

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「魔界転生」

 山田風太郎の小説「魔界転生」は数ある忍法帖の中でも、その構成と文章の完成度の高さゆえに、作者の最高傑作とも評されることが多い作品ですが、これに【柳生十兵衛VS有名剣豪のガチンコ勝負】を期待して読み始めた剣豪小説ファン(もしくは映画のイメージをそのままスライドさせてきた読者)は、かなりの確率で肩透かしを喰らうのではないでしょうか。

 実際、十兵衛と転生衆の対決の図式には、仲間の犠牲や助力・計略が少なからず関わっていて、当人同士の実力勝負という意味では、道成寺での柳生如雲斎との第一戦目と、最後の巌流島における宮本武蔵戦が、かろうじてその枠組みに入るのではないかと思われるのですが、個人的には「魔界転生」の決闘シーンは、経過や結果よりも作者の神懸かった濃密な文章描写を楽しむものと捉えていますので、今回は各対戦相手ごとに印象に残った(お気に入りの)セリフや場面(文章)をいくつか書き出してみたいと思います。

 原作未読の方はスルー推奨で。

・VS田宮坊太郎

 【・・・・・・なんたる神技、深編笠はならんで五六段駆けおりるあいだに、北条主税の首を刎ね、燕返しにその胴を切断していたのである。―――剣の遊びだ。曲斬りだ。】

 【魔界転生の剣鬼田宮坊太郎は股から腹へかけて逆に斬り裂かれ、跳躍したおのれ自身の速度を加えて、もんどり打って石段をころげおちていった。空に散った血しぶきは、雨となってそのあとを追った。】

 世間的にややマイナーと思われる坊太郎ですが、作中での十兵衛との関係は、(短期とはいえ)いわば師弟なわけで。それが十兵衛を横柄に呼び捨てるのが「魔界転生」の切ないところです。

・VS宝蔵院胤舜

 【三段壁の巌頭に、宝蔵院胤舜と柳生十兵衛は相対した。十間の距離をおき、槍と剣をかまえた二人の姿は、秋の大空の蒼みにはめこまれた鉄か銅の彫刻のように見えた。】

 【「―――左様かな? そう参るかな? そうかんがえるかな?」】

・VS柳生如雲斎

 【三角頭巾の左手から右肩へ、ぼうと光芒がながれて立った。革鞘が地におちた。彼は抜いた。刀身を垂直にして、右肩に構えたのである。

 ・・・・・・二人のとった姿勢は、他流でいわゆる八双の構えといわれ、柳生流では「陰の太刀」と呼ばれるものだが、十兵衛はこれを八双の構えにあらずして陰の太刀であることを感得した。のみならず、これが江戸柳生ならざる柳生流であることを感得した。】

 道成寺での柳生如雲斎初遭遇より。単純にかっこいいです。

・VS天草四郎

 【「冒涜」のきわみともいうべく、彼はふふっと笑った。が、その笑い声の意味は。―――

 「かつて天草で神童といわれ、サンタマリアに祈り、ゼウスの御名のもとにたたかったこの四郎時貞が、日本の御詠歌をうたうとは。―――」

 つまり、失笑であったらしい。】

 【「人触るれば人を斬り、馬触るれば馬を斬り・・・・・・鉄触るれば鉄を斬る、忍法髪切丸―――」】

 ・・・・・・読み直してて思ったけれど、天草四郎って、名セリフ多い(笑)。

・VS柳生但馬守

 【「十兵衛、胴斬りしてよいか?」

 殺気に陶酔したような但馬守の声が、もはや二間の距離で送られて来た。すでにその神秘的な剣気は、十兵衛を逃げも避けもならぬ決闘の風圏と化して彼をつつんでいる。】

 【父を討てるか。

 ・・・・・・父の生存はいまや疑うべからざるものとしても、その父が、じぶんの知っている父とは別人となっている。人間ではない怪物に変わっている―――。

 木村助九郎の死にざまを思う。また可憐な少年に対する、おとなげないどころか、人の心を持ったものとは思えない仕打ちを思う。―――

 が、のっぴきならぬ万一の場合、はたして父を討てるか。―――わざの上でだ。】 

 十兵衛も認める但馬守の剣の腕前がよく伝わる場面。

・VS荒木又右衛門

 【「やるか十兵衛。・・・・・・古今無道の親不孝者、父親殺し」】

 【「鍵屋の辻じゃ。知っておるか、十兵衛。―――ここでおれと刃を交えるを誉れと思え」

 ―――柳生十兵衛の満面は血の気をひいていた。

 なぜ変わったか? どこからこの力を又右衛門は得たか?

 殺さぬ。又右衛門は生かして、その口からきく。

 ―――この不敵な望みが、すでに圧倒されていた十兵衛の心を一瞬に染めかえるあやうい転機となった。剣を交える以前の気力の死闘は、いずれ劣らぬしぶきを蒼空高くあげた。

 相搏つは、同門同血の柳生新陰流。―――】

 魔界転生して後、せっかくの剣技を一番ふるえなかったのは誰かと問われれば、この荒木又右衛門でしょう。

・VS宮本武蔵

 【ただ、蒼い海と白い土。

 水と砂。

 あくまでも、むなしいほど明るいのに、それはなぜか、惨として物凄まじい死の風景を思わせた。】

 【しんかんとした秋の午後である。

 すべてこの世に、事もなし。―――といった風な。】

 武蔵戦はすべてが読みどころで、生者と死者のラストマッチに相応しい舞台設定でした。

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風の墓

 山田風太郎先生に逢いに、八王子の上川霊園に行ってきました。

 家から気安く行ける距離ではありませんが、それでも兵庫県の生家や記念館へ行くよりはずっと近いですし、長年の愛読者として一度はお参りせねばと考えていたので、あとはタイミングの問題だけだったのですが、今回ようやく訪れる運びとなり、希望のひとつを叶えることができました。

 上川霊園は想像していたよりも広くて、歩いて探せば先生のお墓もそのうち見つかるだろう(お墓の形もなんとなく判るし)、という甘い考えは即座に改めざるを得なくなり、素直に管理事務局の職員さんに場所を聞くことに。

 「作家の山田風太郎さんのお墓をお参りしたいのですが、場所はどのあたりになりますか?」

 と尋ねると、一枚の紙を取り出して持ってきてくれました。この霊園には他にも著名な方が何人かおられるらしく、細かい字で列挙された名前の下のほうに先生の名前を見つけ、「あ、これですね」と教えると、A4サイズの紙にプリントされた霊園の区画図に番号を記入し、渡してくれました。

 受け取った案内図に従って、いよいよ先生の墓前へ(この間、場所を探したり、お花や線香を買いに行ったりで多少の時間がかかっていますが、割愛)。

 「風の墓」と彫られたそれは、思い描いていたものよりも案外小さく見えました(それでも充分な大きさではありますが)。

 山あいということもあるでしょうが、風が強い日で、線香に火を点けるのに苦労したりもしましたが(マッチ残り3本のところでようやく)、お花やお供え物をして手を合わせると、なんともいえず複雑な気分になったりします。

 それは、今まで情報でしか知りえなかった事実と、実際に墓前に立った経験の相違から来るものでしょう。

 そういえば、「山田風太郎記念館」のHPを見ると、第五回目の風々忌が、上川霊園で行われるみたいです。今回の墓参にあたって反省する点がいくつかあったので、一般参加が出来るなら、こちらの企画に参加してみるのもよいかな、と思いました。

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『山田風太郎の”奇想”世界』

 6月に、時代劇専門チャンネルで『山田風太郎の奇想世界』と銘打った映像化作品特集をやるそうで、またぞろVシネの「くの一忍法帖」シリーズでも垂れ流すのかと思って公式サイトを覗いてみたら、微妙にナイスチョイスで良い方向に裏切られました(笑)。ちなみに今回放送される作品は以下の通り。

・「山田風太郎 からくり事件帖」

・「姫君捕物控」

・「美女奉行 おんな牢秘抄」

・「美女奉行 おんな牢秘抄Ⅱ」

・「魔界転生」

・「魔界転生 魔道変」

 風太郎原作の映像化作品といったらコレ!、の「魔界転生」は、渡辺裕之さんが柳生十兵衛役のVシネ版ですな。「姫君捕物控」は加賀まりこ主演の、「おんな牢秘抄」原作のTVシリーズっぽいですが、こんなのがあったなんて初めて知りました。「美女奉行 おんな牢秘抄Ⅱ」も観ていなかったタイトルなので、ちょうどいい感じだし(そもそも、原作を消化した前作から、どう続編を作ったのか気にはなっていたのです)。

 でも一番嬉しいのは、やっぱり「山田風太郎 からくり事件帖」の放送です! 本放送時も欠かさずに観てはいたのですが、一回目と最終回で録画を失敗して以来、ずっと悶々としていたんだよね。近藤正臣の川路利良は、自分のイメージではなかったけれど、NHKだけあって丁寧に作ってあったし、山田風太郎はイロモノばかりではないんだよ、ということを実証してくれて、なにかと次の回が楽しみなドラマでした。DVDの販売も期待できないし(買うのはちょっと・・・という面もある)、今回は録画失敗しなければいいな。

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本当に観たい「魔界転生」

 以前、記事として深作欣二監督版「魔界転生」のことを書いたことがありますが、何回か映像化されている作品でもありますし、他の「魔界転生」についても感想など書いておこうかと思います。

・深作版「魔界転生」

 序盤で、原作になぞらえて地獄篇第一歌~第五歌までを描きながらも、物語の筋はまったくのオリジナル、転生衆からして原作を大きく逸脱した、「魔界転生」の記念すべき映像化一作目の作品です。なんだかんだで、今現在映像化されている「魔界転生」の作品群の中で、もっとも出来がよろしいかと思いますが、それは原作の剣豪VS剣豪というエッセンスのみを取り出し、原作にとらわれないストーリーを選択した点にあるのかもしれません。原作信奉者からしてみると、やっぱりこの作品は異端なのですが、それでもこの映画は私の中でも高評価となっていて、たまに無性に観かえしたくなる事があります。予告編だけでけっこう燃えれる自分は単純なのでしょうか。転生衆の妖怪っぷりは、他の作品を軽く凌駕し、その部分だけ採れば、もしかしたら原作に一番近いということが出来るかもしれません。

・Vシネ版「魔界転生」

 渡辺裕之が柳生十兵衛を演じたバージョンです。由比正雪を森宗意軒の代役として採用するなど、随所に原作の設定を活かそうとした試みは評価できると思うのですが、いかんせん十兵衛役の渡辺裕之さんに華がない・・・「魔界転生」をやるときは、最低限十兵衛役だけは説得力のある役者を当てなければいけないな、と痛感したものです。なんか、アーノルド・シュワルツネッガーが十兵衛を演じているような違和感がありました。転生衆に春日局がいるのは失笑以外のなにものでもありません。

・OVA版「魔界転生」

 OVA「ジャイアントロボ」を制作したフェニックス・エンタテイメントが関わった作品。全6作くらいになる予定だったと思うのですが、当時起きたある事件のせいで、2巻で打ち切りという悲しい結果に。「ニュータイプ」に掲載されたストーリーボードを観て狂気乱舞しただけに、とても残念な気持ちになったのを覚えています。十兵衛配下の忍者がメカを駆使したり、原城の瓦を取り込んで天草四郎が龍に変化したりと、アニメーションならではのムチャクチャぶりが際立っていましたが、実は意外と真面目に作ってあって、できれば今でも続編が観たいくらいです。あわれ転生衆は全員本当の意味での妖怪に。

・平山版「魔界転生」

 技術の進歩が映画の進歩ではない、と思った作品。でも、好きっちゃあ好き。この企画自体、窪塚くん=天草四郎から始まったところがあるようなので、スタートラインが間違っていなければ、もっと満足のいく内容になっていたのかもしれません。それにしても、実写化する際には、オリジナルの転生者を出さないといけないという決まりごとでもあるのでしょうか。原作を知らない人には、そんなのはさしたる問題でもないだろうし、原作既読者は原作通りにやってもらいたいんです(できれば)。予告の音楽はかっこよかったけど、本編では使われてなかったのも残念。

 「魔界転生」は、今後も映像化の機会に恵まれるかもしれませんが、個人的に一度は観てみたい配役を考えてみたところ、下記のようになりました。

 ・柳生十兵衛三厳  真田広之

 ・柳生但馬守宗矩  藤田まこと

 ・天草四郎      藤原竜也

 ・柳生如雲斎    渡辺謙

 ・宝蔵院胤舜    ビートたけし

 ・荒木又右衛門   阿部寛

 ・田宮坊太郎    松田龍平

 ・宮本武蔵     千葉真一

 監督は、「硫黄島からの手紙」の例もあるし、外国人に撮ってもらうというのもひとつの手かもしれないです。

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舞踏会へようこそ

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 3日の夜の部で「エドの舞踏会」を鑑賞してきました。公演3日目となる日ですが、平日のせいか、満席というわけにもいかず、ちらほら空席が見受けられました。それでも9割くらいは埋まっていたでしょうか。年配の方が予想以上に多かったです。

 私たちの席は3階だったので、予想はしていましたが、舞台のまあ遠いこと。しかも位置が高い。なんとなく、さいたまスーパーアリーナへ「PRIDE GP」を観に行ったときのことを思い出しました。今回はその時ほど遠くはなかったのですが(箱の大きさが全然違うから当たり前ですね)、舞台が始まるまでは、役者さんのセリフがちゃんと聞き取れるかどうか不安だったのですが、それは杞憂で済みました。

 本番が始まる前に、一緒に行った彼女から「どんな話?」と聞かれたのですが、即答できず、「一回しか読んだ記憶がないから、忘れた」と返したのですが、舞台を見終わって、本当に全然覚えていないことに驚きました(笑)。唯一微かに頭の内に残っていたエピソードも、今回の脚本には取り入れられていなかったし・・・まあ、そのお蔭で新鮮な気分で鑑賞することができたから、ある意味よかったかと。

 物語のほうは、山本権兵衛夫人の登喜を中心に、伊藤博文夫妻・井上馨夫妻・森有礼夫妻たちとの関わりを描きながら、クライマックスの鹿鳴館での舞踏会に進んでいきます。ところどころに笑いもあり(伊藤夫人の梅子が、登喜役の三田佳子さんに「歳はおいくつ?」と問うて、「21になります」と答えたときに、会場から失笑がもれましたが、そこは笑うところですね)、山田風太郎の明治物の中ではややマイナーな感のある本作ですが、私は最後まで楽しく観ることができました。また原作を読み直してみる気にもなったし。原作を読み返したら、また別の角度からこの舞台についての感想を書くかもしれません。

 ベテランの役者さんたちの熱演もよかったですが、個人的には伊藤博文の娘の生子役の渋谷飛鳥さんの好演(この方には誰でもよいので、忍法帖の姫様役をいっぺんやってもらいたい!)と、井上家の養女・鳥子役の女の子の、鹿鳴館での所作やらがかわいくって、印象に残っています。あと、伊藤役の田中健さんと井上役の松村雄基さんのコンビ(?)もよかったなあ(腐女子の眼がキラリと光ったらしい)。

 新橋演舞場での「魔界転生」を観たときも感じたことですが、今回の舞台もセットや装置が凝っていて、とても感心しました。私は映画好きですが、舞台って、思ったほど不自由じゃないのですね~。制約がある中でのモノ作りなので、かえって職人技が生きてくるみたいです。以前どこかで上演されたという「幻燈辻馬車」もそうだけど、明治物の舞台はまだまだ観てみたいな、と思いました。

 心残りなのは、ケチらずにもっと近くの席で観ておけば良かったかな、ということくらいですかね。3等席は、舞台が遠い以上に、前の座席(手すり)との幅が狭くって、ちょっと居心地が悪かったです(エコノミー症候群になるかと)。もし、もう一度観に行く機会があるとすれば、来年の明治座での公演になると思うのですが、とにかくいい席で観ようとすると、チケット代が高いです・・・。

 で、「エドの舞踏会」を観に行った次の日に、博物館明治村へ行ったところ、ちょうど「あなたの生まれた日の新聞を読んでみよう」という、300円入れると入力した日付の新聞がプリントアウトされる機械があったので、「明治19年5月6日で入力すれば、この舞踏会の様子を書いた記事が読めるかもしれない!」と、期待に胸を躍らせて印刷された新聞を見てみたら、なんか勅令とかがだらだら書いてあるだけで、心底がっかりしました。

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ゲームのルール

 彼女が「戦国BASARA2 英雄外伝」をプレイしているのを、となりで見ていたりするわけですが、すごく楽しそうです(笑)。

 私はこの手のゲームは、コーエーの「無双」シリーズでやりつくした感があるので、今はあんまりやりたいとは思わないのですが、もしこのシステムで忍法帖シリーズのゲームが出たら、きっと買ってしまうと思います。2Dでの格闘ゲーム化も面白そうですが、根来忍法僧3万人を近代兵器で薙ぎ倒していく厨子丸や、信貴山の松永弾正のもとへ復讐に走る笛吹城太郎を操作できたら、楽しいと思いませんか? ・・・まあ、山田風太郎作品のゲーム化が実現したら、なんでも嬉しいことに違いはないのですけれど。

 PS2の「魔界転生」? なにそれ?

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「忍法八犬伝」の評価

 「忍法八犬伝」って、忍法帖の中でも非常に評価の高い作品で、私も何度か読んでいて面白いとは思うのですが、自分の中での忍法帖の序列で考えると、「海鳴り」「銀河」「忍法封印」「剣士伝」「自来也」「江戸」「忠臣蔵」あたりとほぼ同等か、もしかしたらそれよりちょっとだけ下かな、って感じの作品です。前述の作品の上位には、「柳生」「魔界」「風来」「伊賀」「外道」があって、それらの下には、「甲賀」「くノ一」「卍」が続くので、あえて順位をつけると16番目くらいですか。この下はというと、「軍艦」「月影」「信玄」「魔天」「秘戯書」「黒白」「双頭」「陰陽師」があるのみで、なんと下から数えた方が早い。で、なんで自分の評価がそんなに高くないのか、考えてみたところ・・・。

 どうも、八犬士に対する村雨さまの態度に、終始乗り切れない部分があるようです。もちろん、八犬士は見返りなど端から求めておらず、ただ村雨さまのためだけに命を張ることを、無上の喜びとしているわけですが、同じ一人の姫君のために香具師たちが命を賭ける「風来」なんかと比べると、最後まで報われない(村雨さまの無邪気のおそろしさ!)八犬士たちが不憫で不憫で・・・。

 あと、些細なことですが、角川文庫に入っていなかったということで、忍法帖シリーズとして、徳間書店から刊行されていた「忍法八犬伝」は、異質なものと捕らえていたふしがあります。だって徳間の忍法帖って、これと「魔天忍法帖」だけでしたから、1ランク落ちるって感覚があったみたいです。だからもしかしたら、「八犬伝」から忍法帖に入った人と、そうで無い人の評価は、多少異なるのかもしれないなあと思ったり。今は「忍法八犬伝」も、他の忍法帖と同じく講談社からシリーズが刊行されているので、こんな感覚を覚える人もそうそういないとは思いますけどね。

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至福のひととき

 昨日、某所での忍法帖チャットに参加させていただきましたー。風太郎作品を読むようになって、ン十年経っているというのに、他のファンの方とリアルタイムで忍法帖の話をすることが出来たのは、実はこれが初めてだったりして、とても刺激になりました。色々な人から風太郎作品の意見を聞けるのっていいなあ・・・。個人のお気に入りや、おススメや、作品の章題を言い合っているだけで、もう幸せでした。チャット主催の方と、参加者された方々、それと、山田風太郎先生に感謝感謝です。

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相思相殺

 買ったまま放置していた「バジリスク」DVD-BOXの、第一巻をようやく観ました。改めて観てもクオリティが非常に高いですね~。作画の質の高さはいわずもがな、声優陣も、よくこれだけの人を集めたなっていうくらい、実に豪華だし。

 コミック版「バジリスク」は、1話目から原作「甲賀忍法帖」からのアレンジが冴えていますが、小説では、将監VS夜叉丸の御前試合の時には、竹千代方と国千代方のメンバーも多数同席していたのを、コミック化に際して省略したのは、登場人物の氾濫を抑え、甲賀伊賀の選抜忍者20人に焦点を絞るという意味で、とても良い選択だったと思います。それにしても、天海が怖いです、先生!

 地元民としては、忍法帖の第一作が駿府城からスタートしたというのは、とっても嬉しいことなのですが、「バジリスク」に描かれたような天守が現存しないのは、また残念でもあります。復元された二の丸東御門巽櫓は、それはそれで立派に見えるけれど、天守がもしあったら、静岡の街並みは今とはガラリと違った様相を見せることでしょうね。

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「昭和前期の青春」

 山田風太郎エッセイ集成「昭和前期の青春」購入。まだ「わが推理小説零年」も「育児日記」も、読み終えていないというのに、積まれる本が増えていくー(笑)。ついでに「柳生大戦争」も買っちゃった(ついでとか言うな)。

 山田風太郎の著作を追っかけてきて久しいけど、まだまだ読んだことのない文章に触れ合う機会があるなんて、しあわせだなあ。

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鹿鳴館へ行こう

 御園座で公演予定の「エドの舞踏会」のチケットをとりました~。チケットの販売はてっきり11月に入ってからと思い込んでいたのですが、日付と時間の最終確認でもしようかと御園座の公式HPをチェックしていたところ、ちょうど今日の10時から公演前半分の受付開始ということを知り、結局最後までいっちゃったという次第。しかもその場で当日の座席の確認も出来るため、キープされた番号を客席表と照らし合わせて、即購入をケツイしました。

 まあ、「エドの舞踏会」を観に行くという事自体は、風太郎原作のお芝居を観れる機会なんて、今後もそうそうないだろうということで、少し前から気持ちとして固めていたんですけどね。後は、御園座(名古屋)にするか明治座(東京)にするかでまず迷って、結果、料金幅の広い御園座を選択することになりました・・・といっても、今回は一番安い席(三等席)に甘んじる事になりましたけど。でもいいんだ~、雰囲気さえ味わえれば。先に御園座の公演を観ておけば、もう一度観たいと思ったときに、明治座に行くという選択肢もできるし。

 名古屋方面にお出かけするのは久しぶりなので、1泊して、次の日に「博物館明治村」に寄って来るつもりです。今回行くと、3度目になるけど、何回でも行ってみたい場所のひとつです。「エドの舞踏会」→「博物館明治村」のコンボで開化気分を満喫するぞー。

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掘り出し物

 別冊新評「山田風太郎の世界」をゲットできそうです~。まあ、入手先はヤフオクなんですけど。そういえば、少し前に「忍法相伝73」がヤフオクに出品されてたっけなあ。自分が見たときは、25,000円くらい付いていたけど、結局いくらで落札されたんだろう・・・。いくら幻の忍法帖とはいえ、万単位での入札は、自分にはとても無理だわー。それにしても、落札した人は、相当の風太郎ファンだとは思いますが、25,000円も出して読みたいものですか(半ば羨望)? それとも投資目的だったのかしらん。私もファンのはしくれとして、機会があれば読んではみたいけど、こいつ(忍法相伝73)だけは、そっとしておいたほうが良いかもしれませんね。

 ん~、別冊新評「山田風太郎の世界」って、確か持ってなかったよな・・・? ちょっと自信なくなってきました(笑)。

 他に、今日は本を2冊買ってきました。東野圭吾氏の「ある閉ざされた雪の山荘で」と、横山秀夫氏の「クライマーズ・ハイ」です。東野圭吾の小説を読むのはこれが初めてになりますが、なんで「ある閉ざされた雪の山荘で」かというと、特に理由はありません。東野圭吾ならなんでもよかった。後悔はしていない。「クライマーズ・ハイ」は、原田眞人監督・堤真一主演で映画化になるということと、御巣鷹山の航空機事故を題材に取っているということで、俄然興味が。御巣鷹山の事故には、個人的にちょっとした因縁というか、思い出がありますので・・・。

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「柳生十兵衛死す」

 たまには風太郎作品に対する不満点をあげてみよう。表題の「柳生十兵衛死す」についてです。山田風太郎の最後の長編小説となったこの作品は、私がリアルタイムで風太郎に接することが出来た唯一の作品でもあり、非常に感慨深いものがあるのですが、こんな設定にしてまで、柳生十兵衛を片付けなければいけない理由が果たしてあったのでしょうか? もちろん、先生が作り上げたヒーローですし、「いつか柳生十兵衛を片付ける話を書きたい」と念じておられたことも知っているのですが、例えば水戸黄門がドラマの中で死ぬ最終回を見たいですか? ブルース・ウイリスが、ジョン・マクレーンが死んでしまう「ダイ・ハード」への出演のオファーを受けるとでも? 

 ・・・まあ、柳生十兵衛が最終的に死ぬのはよろしいでしょう。問題は、「柳生十兵衛死す」の十兵衛が、「柳生忍法帖」「魔界転生」の十兵衛とまったくの別人で、パラレルワールドの住人になってしまったことです。ここだけが本当に残念です。「柳生十兵衛死す」はひとつの独立した作品として見れば、私も好きなお話なのですが(中村橋之助が「柳生十兵衛死す」の舞台をやるというのであれば、絶対観に行きます。「柳生十兵衛死す」はテーマに能を扱っている事もあるけれど、絶対に舞台向きだと思う)、世の風太郎ファンが読みたかったのは、「柳生忍法帖」「魔界転生」の十兵衛が死ぬ話だったに違いがないのです(断言)! 「魔界転生」のラストで一人波のかなたに消えていった十兵衛が、その後風太郎世界でどんな修羅の道を歩んだのか。「柳生十兵衛死す」のラスト以外の道はなかったのか。本当に気がかりで仕方がありません。

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黄泉返る忍法帖

 Amazonから、予約していた「バジリスク」のDVD-BOXが届きました。今さらながら、3万円近くの出費はでけー。バラで購入することを思えば、BOXはだいぶ安上がりなのでしょうが、それでもDVDの一回分の買い物に、これだけの金額をかつてかけたことがないので、ちょっとドキドキしてしまいます。本当にいいの? ちゃんと全話観れるの? スカパーで放送していたのを全部録画してあるにも関わらず、BOXを買ってしまったというのは、なんだかんだで結構気に入っていた証拠だと思いますが、完全限定予約生産という文句にも、多少惹かれたかもしれない(限定という言葉に弱い自分です)。なに、買わないで後悔するより買って後悔しろですよ、とか言っているうちに、「アイドルマスター」の菊地真バースデイグッズの予約をし損ねたわけですが・・・別にどうしても欲しいものでもなかったし・・・ま、いいか!

 とりあえず、今日は他に「300」のDVDを買ってきたので、そちらを見ることにして、「バジリスク」は箱を眺めるだけにしておく予定です。・・・それにしても、このBOXの上部に描かれている天海僧正は悪い顔してるよな(笑)。「Y十M」の天海と同じ顔をしているだけに、この「バジリスク」のスタッフによる、「Y十M」アニメ化を夢想してしまうのは致し方のないところです。「バジリスク」と比べて、(いろいろな面で)よりアニメ向きではない「Y十M」ですが、もう誰でもいいから、いつか動いている柳生十兵衛三厳を見せてくれえ、という気持ちが鎮まりません(病気か)。

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「エドの舞踏会」

 今年の冬に、御園座と明治座で上演される「エドの舞踏会」を観に行くかどうか、本気で悩んでいます。昨年、G2演出・中村橋之助主演の舞台版「魔界転生」を新橋演舞場で観て、山田風太郎作品の新たな表現領域の鑑賞に目覚めたのですが(笑)、なんにせよお芝居のチケットは高い! 「魔界転生」の時も、高いなあとは感じつつ、あまり観に行く機会もないだろうからと、奮発して一等席12,600円のチケットを購入したのですが、それはひとえに舞台化されたのが「魔界転生」だからであって、今回の「エドの舞踏会」はそれに比べると、自分の中で多少動機が弱くなってしまうのは否定できません。ちなみに御園座のチケット代は、一等席13,500円・二等席8,000円・三等席4,000円・特別席15,500円となっていて、明治座の方は、A席12,000円・B席5,000円となっているようです。

 出演者や、演出に動機を求めるのもひとつの手なのですが、今回に限っていうと残念ながらその線もなさそうです。主な出演者と演出は下記の通り。

原作:   山田風太郎 脚本:大藪郁子
演出: 石井ふく子
出演: 三田佳子  淡島千景 賀来千香子 中田喜子
小林綾子 渋谷飛鳥
錦織一清 田中 健 松村雄基 森宮 隆 他

 ということになると、後は山田風太郎に対する愛情で観にいくしかない。「エドの舞踏会」は一回しか読んだ記憶がないのですが、他のクセのある明治モノと比較すると、ややインパクトに欠けるという感じではあるけれど、面白くないというわけではなかったんだよなあ。最後まですらすらと、なぜか感心しながら読んだような・・・これを機に再読して、それから観に行くかどうか決めようかと思います。これが、「幻燈辻馬車」や「ラスプーチンが来た」や「柳生十兵衛死す」の舞台化だったら、迷うことなくなくチケットの購入に踏み切るんだけど。

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十年目の「天草四郎」

 上下巻2冊に分かれた本があったとき、上巻を読んでから下巻を読むまでに、ふつうどれくらいの期間を空けるでしょうか。続けてすぐ読みにかかるというのが、ほとんどかと思います。私は「魔界転生」の上巻を読んでから、下巻を読み終えるまでに、実に10年以上の歳月を要しました(笑)。

 理由は、上巻を読み始めたのが小学生の時で、言葉や物語が小学生には難解すぎたせいで、かなりの時間をかけてなんとか読みきったものの、その後ほどなくして、深作版映画「魔界転生」→石川版漫画「魔界転生」の順番で鑑賞してしまったため、一応の物語の完結に満足してしまった、というものです。

 おかげで十年間、「魔界転生」のラスボスは天草四郎と信じるはめになりました。また、石川版には原作と同一の章題・「転生のとき」というのがあったため、初めて原作の下巻を読んだ時は、石川版と同じ展開になるのではないかとハラハラしたものです。

 そして十年経って、自己の中で完結した原作「魔界転生」は、私の想像を大きく上回る面白さで幕を閉じたのでした。「魔界転生」はいままで何度もメディア化され、天草四郎はその中のどの作品でも重要な役割(もう一人の主役みたいな)を与えられてきましたが、私の中で天草四郎が原作を上回るキャラクターとなりえた作品は、いまだありません。

 原作には転生前の描写がなかったのが良かったのかもしれません。敬虔なクリスチャンからの転身、あの香炉銀四郎を凌ぐ糞餓鬼っぷり、「ちちははの めぐみもふかき 粉河寺」と謳いながらお品に狼藉を働く四郎、十兵衛との対決の情けなくも意外な決着、末期の悪態・・・最後まで悪役を貫き通したのは、ある意味爽快とも言えます。一冊の小説の主人公ともなりえる天草四郎に、悲劇性をこれっぽっちも持たせなかったのは、この後に続く十兵衛の苦悩や悲哀を際立たせるためだったのでしょうか。

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忍法帖マイベスト

 忍法帖のマイベストを3作品挙げてみようと思い立ちましたが、3番目が決まらないので、5作品選んでみる事にしました。

 

 ① 「柳生忍法帖」

 ② 「魔界転生」

 ③ 「風来忍法帖」

 ④ 「伊賀忍法帖」

 ⑤ 「外道忍法帖」

 

 ①と②は同じくらい好きです。完成度というか、山田風太郎の筆が冴え渡っているのは断然「魔界転生」のほうなのですが、私が風太郎にのめりこむきっかけになったのが、「柳生忍法帖」なので、少しだけ贔屓しちゃいました。

 ③~⑤はどれが上と順番をつけるのが難しいです。甲乙つけがたいという感じ? 「風来忍法帖」はラストに泣かされますが、なにより麻也姫が魅力的です。「伊賀忍法帖」は初めて読んだ風太郎作品ということで。当時は納得の行かない結末にもやもやしましたが、日本のエンターテイメントの真髄は時代劇にある、と確信させてくれるほどのインパクトがありました。⑤は賛否両論あるかと思いますが、遊女伽羅がとにかく印象的でした(他の作家が10冊くらいかけて書きそうなネタを、1冊で済ませてしまう風太郎は実に潔い)。

 忍法帖マイベストは上記5作品となりますが、映像化したら面白いんじゃないかと思っているのは、「軍艦忍法帖」「海鳴り忍法帖」「銀河忍法帖」あたりだったりします。忍法帖の中では地味な部類に入るこの3作ですが、結構絵になるシーンが多いかと。目立ったエロ忍法もないし(まあVシネでエロはほとんどやられちゃったからなあ・・・残った未映像化作品というと、あまり選択肢がない罠)。

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古き骸を捨て、蛇は蘇るべし

 キャンペーン価格とかで安かったので、深作欣二監督版「魔界転生」のDVDを買いました。邦画では、間違いなく一番多く回数を観ている作品です。よくよく考えれば、「魔界転生」の誤ったイメージ(天草四郎がラスボス)を植えつけることになった原因ともいえる映画ですが、それでも私はこの映画をとても気に入っています。フォトギャラリーなるものが映像特典として入っているのが以前から気になっていたのですが、いざ見てみると10枚しかなくってちょっとがっかり。でも映画のシーンではありえなかったスチールも混じっていたりしたので、まあ良かったかな。あとは古い方の予告編が入っていて、それはそれで嬉しかったり。

 ていうか、ジャケットの帯に、この面白さは「陰陽師」「どろろ」を凌駕する、とか書いてあるんですけど、いいんでしょうか(汗)。確かに「陰陽師Ⅱ」の肉襦袢には卒倒したし、「どろろ」なんて日曜日の8時半にやってろ! っていうくらい憤慨したけどさあ・・・。

 

 深作版「魔界転生」で好きなシーン

・霧丸の集落を襲った甲賀衆が、転生衆に蹂躙されるシーン

・霧の中から5騎の転生衆が十兵衛の前に現れるシーン

・胤舜VS但馬守

・十兵衛VS但馬守

 

 深作版「魔界転生」で不満なところ

・時代考証無視(ココ重要!)

・霧丸が出てくるシーンでちょっとだれる(真田さんは好きな役者ですが)

 

 平山版の「魔界転生」なんてのもありますが、こっちは粘り気が少し足りなかったですかね~。森宗意に言わせてみれば、転生の条件を満たしていなかったとでも言いましょうか。今後、もし「魔界転生」が映画化されるようであれば、ぜひ柳生如雲斎にご登場願いたいです。

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完全なる忍法帖

 とある事情から、スカパー!の主要チャンネルが2週間ほど無料で見れるようになりました。別に裏技でもなんでもなくて、ICカードの不具合対策におけるお詫びみたいなもの、なのかな? いま、「地球へ・・・」目当てで契約したアニマックスと、アニマルプラネットの2番組しか契約していないので、急に見れるチャンネルが増えて、逆に戸惑っています。ガイド誌も買ってないから、どこで何が放送されるのかさっぱりだし。そもそも「PRIDE」を生中継で見たくて導入したスカパーなので、その「PRIDE」があーなってしまった以上、特にどうしても見たいチャンネルがあるわけでもなく・・・・・・で、リモコンの番組表をいじっていたら、WOWOWで「シグルイ」が放送中だということに気がつきまして、とりあえずあの原作がどんな風にアニメ化されたのか、とても興味があるものですから、ちょうど今日放送されるので見てみたいと思います。

 「シグルイ」のアニメを制作しているマッドハウスは、過去に「獣兵衛忍風帖」という作品を作っているのですが、タイトルを見ても判るとおり、これは風太郎忍法帖へのオマージュとなっているようです。監督の川尻善昭氏も風太郎ファンであることを表明していましたし。川尻氏は他に菊地秀行先生原作の「妖獣都市」や「吸血鬼ハンターD」等の監督をされていますが、実は忍法帖の映像化作品として一番完成度が高いのが、前述の「獣兵衛忍風帖」ではないか、と私は考えています。無論、原作は忍法帖のどれでもないし、ストーリーはやや淡白な感じがするのですが・・・。

 GONZO制作の「バジリスク」も、原作を見事に映像化していますが、こちらは山田風太郎の「甲賀忍法帖」ではなく、やっぱり、せがわまさき作品「バジリスク」の完全映像化だということでしょう。同じではないかと言われれば、それはそうなのですが、天ちゃんとか蓑さんとかドシャとか、そういう愛称で親しまれているキャラクター達は、せがわ先生のデザインがあればこそなのですから。

 いつの日か、川尻監督の完全に映像化された忍法帖作品を見てみたいですね。

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【DVD-BOXは】バジリスク~甲賀忍法帖【予約済】

 せがわまさき先生の「バジリスク~甲賀忍法帖」が、数ある山田風太郎原作ものの中でも、稀有なる成功例であることは、誰の目から見ても明らかなことではありますが、さてこの世の中に、原作に匹敵・あるいは凌駕することができた作品が果たしてどれほどあるものか・・・というような前置きはさておき。

 「バジリスク」は、私も好きな作品となりました。当然のことながら、原作の「甲賀忍法帖」はとうの昔に読み終えていて、物語の面白さは保証付き、あとは原作ファンをどこまで満足させてくれるかにかかっていたわけですけど、せがわ先生は見事に「甲賀忍法帖」を描きあげてくれました。もともと私の地元を舞台ともしているこの忍法帖第一作は、それだけでも高揚感を掻き立てる作品だったのですけど、「バジリスク」は「甲賀忍法帖」の新しい側面もみせてくれたように思います。

 それは、忍者に感情を与えられたという事です。原作初読時の私は、時代物とは思えない疾走感のあるストーリーにただ圧倒されるばかりで、甲賀と伊賀の最後の決着がついても、実はなにも感じなかったのですね~。「甲賀」の前にも何冊か忍法帖は読んでいて、基本的に忍法帖は全滅する話だと受け止めていたので、その法則によって最後は誰も居なくなったとしか思わなかったのです(もっとも忍法帖シリーズはただ全滅するだけの話ではないので、それぞれのラストにそれぞれの思惑があるのですが・・・)。それがキャラクターに形が与えられるだけで、こうも捉え方の違う作品になってしまうなんて。弦の字と朧なんて原作では影が薄かったせいか、余計死んでもなんとも思わなかったのですが(ひでえ)、「バジリスク」のラストはもうダメ・・・何回見ても涙腺がゆるんできます。

 という事で、DVD-BOXはもう予約済みなのです。

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足かけ何年?

 数ヶ月前の話になるのですが、角川文庫の「忍法双頭の鷲」をようやく入手することができました。これで角川文庫で刊行された山田風太郎作品を、全巻そろえることができたわけです。私が山田風太郎作品に初めて触れたのは小学生の時なのですが、その時に買った「伊賀忍法帖」が角川文庫版だったので、全巻そろえるのに随分時間がかかったものです。多少プレ値がついていたとはいえ、「忍者黒白草紙」は古書店で発見することができたのですが、この「忍法双頭の鷲」はついに店頭で発見する事は叶いませんでした。一時期は本当に出版されているのかどうかすら疑ったくらいです。今回の入手経路はヤフオクでして、今年は他に「東京人」の風太郎特集号も手に入れることができ、家にいながら探しものが出来るようになったのですから、いい時代になったもんですねえ。

 このブログでは日々の出来事とともに、山田風太郎の諸作品や関連作品の感想などを書いていければな、と考えています。またいずれは風太郎作品の舞台となった場所の訪問記も書いてみたいです。地元にもゆかりの地が沢山ありますし・・・。近いうちに行こうと思っているのは鎌倉の東慶寺です。「柳生忍法帖」冒頭で大虐殺の地となったこの女人寺がどんなところなのか、季節の草花とともにこの目で確認してきたいです。

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